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精神疾患における不眠との関係について
抑うつ / 睡眠障害・不眠症 / うつ病
公開日:2026.09.12更新日:2026.09.21
精神疾患における睡眠問題について
今回、精神疾患における睡眠問題とその治療に関する諸課題などについて解説していきます。
この記事では、「精神疾患における睡眠問題とその治療に関する諸課題」という論文をもとに、精神疾患における睡眠問題の概要、その治療に関連しているそれぞれの課題点などについて、わかりやすく解説していきます。
精神疾患における睡眠問題の概要
現代社会では、心理的ストレスによる不眠が急増しています。
ストレスが続くと、気持ちが落ち着かず頭が覚醒した状態になり、すぐに寝付けなかったり、途中で目が覚めて起きてしまったりと睡眠に障害が起こります。
日本人成人の約5人に1人が不眠症状を伴っていると推定されています。睡眠は最も身近で人間誰しもが日々経験している生活習慣です。医学の歴史において健康への重要性が認識されて、疫学・生理学などの分野で研究が進展したのは、ごく最近の事とも言えます。

不眠症の症状について
睡眠の「質」が低下する代表的な疾患として、「不眠症」があります。
不眠症の症状として一般的には、寝付きに時間がかかる(入眠障害)、夜中に何度も目が覚める(中途覚醒)、朝早く目覚めてしまう(早朝覚醒)があります。
不眠きっかけに、ココロの不調に気が付くことも
気分障害を例にとると、不眠はうつ病の主要症状のひとつであることにとどまらず、うつ病発症・再発再燃に先だって現れる前駆症状であると考えられています。
慢性の不眠はうつ病発症の危険因子であるとの報告も多く、過眠とうつ病の関係も重要であると思われます。
また、うつ病をはじめとする気分障害発症には概日リズムの異常が関与している可能性が指摘されています。
不眠症との関係が深い精神疾患として、「うつ病」が挙げられます。
DSM-5精神疾患の診断・統計マニュアルにおけるうつ病の診断基準においても「ほとんど毎日の不眠」が条件の一つとして入っています。

精神疾患における睡眠リズムの関係
精神疾患に伴う不眠や過眠(眠気)、リズム障害(夜型生活や昼夜逆転)は、精神症状の一部であり、ストレス性に続発したものだと考えられがちですが、実際にはさまざまな睡眠障害が高頻度に併存していることが指摘されています1)。
精神疾患に伴う睡眠症状に対しては、睡眠薬に加えて、抗精神病薬、抗うつ薬など催眠鎮静作用の強い向精神薬が頻用されます。
入眠障害の場合には、寝付きを改善するために、超短時間作用型のベンゾジアゼピン受容体作動薬やオレキシン受容体拮抗薬が効果的です。
また、不安で寝付けない場合は、抗不安作用のあるベンゾジアゼピン受容体作動薬が有効と考えられます。
α1, 2,H1,5-HT2 受容体遮断作用などを有する向精神薬の中には、主観的催眠作用、睡眠ポリグラフ上での入眠潜時の短縮、総睡眠時間の延長、中途覚醒時間の短縮などの睡眠調節効果が確認されているものもあります。

うつ病では不眠がリスク因子にも
不眠症はうつ病発症の危険因子で有ることが示唆されています。
不眠症とその後のうつ病の発症が関連していて、うつ病と不眠は同一の病態と考えた方がより自然であり、不眠症がうつ病発症の前駆症状であることが示唆されています。
また、不眠症がうつ病における最も大きな残存症状であること、あるいは不眠症状の残存がある場合にはうつ病の再発リスクが高くなることも知られています。
これらのことからも、不眠症はうつ病にとって、危険因子のひとつであり、前駆症状でもあり、併存症でもあり、残存症状でもあるといえます。つまりは、不眠症とうつ病の関係性は一方通行ではなく、両方向の関係性があることが考えられます。
まとめ
うつ病にとって、不眠症は発症予知、重症度の把握、予後予測、治療効果の評価など、様々な視点で有用な指標となり得る可能性があります。ここ最近もしかしたら不眠かもと思ったら、医師や医療機関へご相談されることもご検討くださいませ。

