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抗精神病薬治療と糖尿病急性合併症
抑うつ / 統合失調症 / お薬 / うつ病
公開日:2026.09.21更新日:2026.09.22
抗精神病薬治療と糖尿病急性合併症
抗精神病薬治療と糖尿病急性合併症などについて、統合失調症やクエチアピンを紹介しながら詳しく解説しています。
抗精神病薬を用いた治療の概要
精神症は、妄想、幻覚、支離滅裂な思考や発言、奇妙で不適切な運動行動など、現実との接触の喪失を示す症状のことであり、統合失調症などのいくつかの精神疾患が精神症状を引き起こします。
精神症症状を軽減または消失させるのには、抗精神病薬が有効であり、特に、幻覚、妄想、支離滅裂な思考、および攻撃性の治療に効果的と考えられています。
抗精神病薬は、統合失調症に対して処方されるのが最も一般的です。また急性の症状が治まってからも、精神疾患や精神症症状によっては、再発の可能性を抑えるために抗精神病薬の使用を継続する必要があります。

抗精神病薬による治療について
抗精神病薬は統合失調症の治療の中心となる薬です。
主として脳内のドーパミン神経の活動を抑えることにより、幻覚や妄想、考えをうまくまとめられない、気持ちをうまく表現できない、意欲がわかないなどの症状を改善し、また再発を防ぐ効果があります。
抗精神病薬の主な効果と特徴としては、幻覚や妄想を抑える、興奮を抑える、考えをまとめて気持ちや神経を和らげる作用があります。また、再発予防するなどの効果も期待されていて、長期間飲み続ける必要があるのも特徴です。
抗精神病薬治療に伴う糖尿病急性合併症
精神科で処方される一部の薬剤は、血糖値に影響を与えることが知られていて、一部の抗精神病薬は体重増加やインスリン抵抗性を引き起こす可能性があり、これが糖尿病急性合併症の発症リスクを高めることがあります。
抗精神病薬と糖尿病あるいは糖代謝異常との関連性について、これまで数多くの報告が行われてきましたが、切迫した死亡リスクとも考えられる糖尿病の急性合併症について,精神科領域において焦点が当てられることは少なかったといわれています。
糖尿病性ケトアシドーシスや高浸透圧高血糖症候群に代表される急性合併症は、いずれも著明な高血糖を伴う危機的な病態ではありますが、迅速な診断と適切な治療によって、救命することが期待できます。

統合失調症の治療薬であるクエチアピンについて
特に、統合失調症の治療薬にも用いられる、クエチアピンという薬剤は、血糖値を上昇させる副作用があり、まれに糖尿病性昏睡や糖尿病性ケトアシドーシスを来たすことが報告されています。
クエチアピン錠市販後には、糖尿病性ケトアシドーシスを来して死亡した例や重篤な高血糖関連副作用症例が報告されていて、本剤投与中には血糖値の測定等の観察を十分に行う必要があります。
糖尿病性ケトアシドーシスは、発症後に急激な経過をたどることが多く、特に外来患者においては自宅での早期発見が重要となります。例えば、高血糖の典型的な症状である口渇、多飲、多尿、頻尿等があらわれた場合には直ちに投与を中断し、医師の診察を受けるよう患者およびその家族にあらかじめ説明しておくことが重要です。
また医療機関においては、クエチアピンを投与する際は、定期的に血糖を測定して、これらの重篤な副作用を未然に防止することが重要であると認識されています。

うつ状態も併発したとき
統合失調症はうつ状態も呈することがあります。
うつ状態になると意欲や集中力が低下し、予約どおりに通院したり、お薬を定められたとおりに服用するといった糖尿病の治療に必要な行動が行えなくなったり、健康的な食生活や身体活動量を保つことが困難になります。
さらに、喫煙量やアルコール量が増えるなど、糖尿病の悪化を招く悪循環に陥りやすくなります。
このような状態が長期間続くと、高血糖や低血糖のために緊急に医療機関を受診する機会が増えたり、糖尿病の急性合併症があらわれやすくなったりします。なお、抑うつ状態のために、適切な判断や行動が上手くとれずに、必要時の臨時受診や対処法が行えなくなってしまうなどの状態も招きやすいということにも注意が必要です。
さいごに
今回は、抗精神病薬と糖尿病急性合併症について統合失調症の治療や、クエチアピンを例に挙げて解説をいたしました。統合失調症などの精神疾患に於いては、長期的に抗精神病薬を使用する可能性があるため、通院先の医療機関との連携や定期的な採血などの確認、そして自宅においても糖尿病に関する体調の変化に注意して過ごすこともとても重要です。


