地下鉄名古屋駅 徒歩1分
大人のためのメンタルクリニック
診療案内
Hidamari Kokoro Clinic
不眠症・睡眠障害
不眠症・睡眠障害
公開日: 2022.05.03 更新日:2024.10.01
[ Index ]
不眠症・睡眠障害は『眠れない』だけなのか
不眠症や睡眠障害は「眠れない」という苦痛だけではありません。
日中の眠気や倦怠感、集中力が続かない等の、心と体に様々な影響を及ぼしてしまうのです。
不眠症が継続してしまっている場合には、医師の診療のもとで適切な治療を組み立てながら、毎晩の睡眠を整えていくことはとても大切です。
不眠症ってどんな病気
不眠症には、なかなか寝付けない(入眠障害)、途中で起きてしまう(中途覚醒)、必要以上に朝早く起きてしまう(早朝覚醒)、ぐっしり寝た気がしない(熟眠障害)があります。
このような睡眠の不調が1か月以上継続したり、日中の倦怠感、集中力の低下、意欲低下などの支障が出てしまっている状態を指しています。
不眠症・睡眠障害の症状
精神的な症状や環境の変化
- 夜寝付くのに時間がかかる(入眠困難)
- 睡眠を維持できず、途中で起きてしまう(中途覚醒)
- 夢を見るなど浅い眠りが続き、眠った感じがしない(熟眠障害)
- 朝早く目が覚める(早朝覚醒)
- 夜勤やシフト勤務などがあって、就寝期間が不規則である
- 仕事やプライベートでショックなことがあって夜もずっと気になる
- 生活(引っ越し)や仕事などで、生活環境が大きく変わって夜もずっと考えてしまう
身体面の症状
- 倦怠感
- 頭痛
- 食欲低下
- 過食・肥満
- 集中力低下
- 日中の傾眠
- イライラ
- 震え
- 高血圧
不眠症・睡眠障害の結果、生活に影響が出てしまう
上記のような症状が
長引くと…
-
1 . 日中の仕事の集中力・パフォーマンスが落ちてしまう
十分な睡眠がとれないと、イライラしたり、落ち込みやすくなったりと不安定になり、仕事もミスを起こしがち -
2 . 人間関係がぎくしゃくする
睡眠不足がイライラや憂鬱な気持ちを誘発しやすくするので、家族や仕事場での人間関係でぎくしゃくしやすくなってしまいます -
3 . 日中常に疲労感を感じる
十分な睡眠がとれないと、1日の体の疲れを回復させることができずに、毎日少しづつ疲労が蓄積していく事になります。食事の変化、肥満や高血圧への影響も
不眠症や睡眠障害はどうしてなるの
不眠症や睡眠障害は、様々な影響で出現してしまいます。
典型的には、ストレスや悩みなどの精神的な影響も多いですが、普段の食事やお薬(内科の一般的なお薬を含めて)でも不眠を生じます。また、内科的な疾患でも不眠や睡眠障害を呈してしまいます。
精神的な影響や身体的な影響がなくても、”寝なくては!!”・”明日は特別な予定があるから早く寝よう!!”といった 睡眠に対する緊張が余計に不眠を誘発しているという点も注目されるべき原因の一つであると思います。
睡眠の体内リズムを崩してしまうと不眠症は遷延しやすい
不眠症や睡眠障害のために、眠れないという生活や体内リズムが出来上がってしまうと、なかなか自分では睡眠のリズムを整えるということは難しい場合があります。
その際には、医療機関の診療を経て、睡眠のリズムを整えるお薬を服用することは、不眠症や睡眠障害の症状を長期化させないためにも大切になります。
クリニックで出される睡眠薬にはどのような種類があるの
クリニックで処方される睡眠薬には、超短時間型、短時間型、中時間型、長時間型と作用効果の長さに応じて、大きく睡眠薬の効果の分類ができます。
特に超短時間型としては、ゾルピデム、ゾピクロン、エスゾピクロン・トリアゾラムがあります。
そして、睡眠薬には、ベンゾジアゼピン系睡眠薬だけではなく、非ベンゾジアゼピン系睡眠薬・メラトニン受容体作動薬、オレキシン受容体拮抗薬もあり、スボレキサント・レンボレキサント・ラメルテオン・トラゾドンがこれらに該当します。
お一人お一人の不眠の症状に合わせ、さらには副作用に配慮しながらお薬を慎重に調整をしていきます。
市販の睡眠薬とはどのような違いがあるの
市販の睡眠薬は、効果効能として一時的な不眠や睡眠障害が示されています。
もちろん、不眠や睡眠障害の方でも一時的な症状である場合もありますが、普段よりも寝付けない、睡眠が浅いなどの不眠状態が継続している時は、医師の診療を元に、お薬の調整をされることをお勧めいたします。
超短時間・短時間作用型の睡眠薬とは
睡眠薬には、超短時間型・短時間型・中時間型、長時間型があります
超短時間型(2~4時間程度)・短時間型(6~10時間程度)は、
寝つきが悪い・寝つきに時間がかかるなどの入眠困難を含め、不眠症状の方に比較的効果が得られやすいのです。
中時間型、長時間型の睡眠薬とは
中時間型、長時間型の睡眠薬では、お薬によって効果の時間が様々ですが、
基本的には12時間から24時間程度の効果が得られる睡眠薬です。
特に、途中で起きてしまう(中途覚醒)、必要以上に朝早く起きてしまう(早朝覚醒)、ぐっすり寝た気がしない(熟眠障害)などの症状に効果があります。
また中時間型・長時間型の睡眠薬は、お薬の効果が長いこともあり、その効果や一番効きやすいピークの性質や薬の効き方の特徴も比較的バリエーションがあるという側面もあります。
しかし、朝方までお薬の効果が残ってしまうこともあるため、起床後のふらつきやだるい感じにつながってしまうこともあるので、医師と相談しながらの調整がとても重要です。
不眠症や睡眠障害の治療は
不眠症や睡眠障害の治療には、お薬だけではありません
体の覚醒と休息のリズムを整えることは不眠への治療に繋がります。
朝起きたら、日光を浴びる
朝おきたら、日光を浴びることで、体内時計が調整されます
日中は適度な運動を
日中は適度な運動を行うことで、代謝を上げることができるだけではなく、運動により適度な疲労が得られることで、睡眠のリズムをつけやすくなります
適度にストレス発散する
ストレスなどは、睡眠のリズムを大きく阻害してしまいやすいです。ストレスをゼロにすることは難しくとも、適度にストレスを発散する行為やポイントを持っていることは大切です。
寝る前の過度の飲酒や刺激物の摂取を避ける
カフェインの入っているコーヒーなどは不眠を招きます。またお酒は時に寝つきを良くしますが、逆に飲酒をすることで睡眠が浅くなったり、必要以上に朝の覚醒が早くなってしまうなどの影響がありますので、お酒は結果として不眠症を悪化させてしまいます。
寝よう・寝なきゃと無理をしない
早く寝なくては!今から寝なきゃ!といったプレッシャーは目を冴えさせ、余計に不眠を招いてしまいます。
睡眠時間にこだわらないスタンスを持つ
適切な睡眠時間は、非常に個人差があります。7時間寝ないといけないといったこだわりよりも、日中の眠気や集中力の低下や倦怠感がないかという、点に注目して睡眠を評価してみることが重要です。
長く寝ようとすると、プレッシャーになり、余計に不眠を招いてしまいます。
必要時には睡眠薬を
睡眠薬には、比較的早く効果が見られます。必要時には睡眠薬を用い、なるべく早く睡眠のリズムを整え、日中の不調を整えることも大切です。最近の睡眠薬は副作用や依存・耐性に配慮したお薬が沢山増えており、適切に内服することで睡眠薬の減薬や中止が可能です。
不眠症・睡眠障害は日本人の多くの人が困っている
日本人の5人に1人が不眠症状や睡眠障害で困っているとも言われています。さらに、高齢者の3人に1人が不眠症状を持っていると言われています。
多くの人がかかる不眠症状・睡眠障害ではありますが、日中のパフォーマンスや身体への影響は大きく、我慢しすぎてしまうのではなく、医療機関へ相談して対処することも大切です。