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Hidamari Kokoro Clinic
仮面うつ病
仮面うつ病
公開日: 2025.01.22 更新日:2025.01.22
[ Index ]
仮面うつ病とは
仮面うつ病(Masked Depression)は、うつ病の典型的な抑うつ気分が隠れ、身体的な不調や精神的な症状として現れることが特徴的な病状です。患者は、自身のうつ症状に気づきにくく、代わりに頭痛、胃の不調、慢性的な疲労感などが主に現れます。
また、不安感や焦燥感、過剰な緊張感もよく見られます。そのため、うつ病が見逃されやすく、すぐ診断に至りにくいという特徴もあります。
仮面うつ病の症状について
主な症状:
- 身体的な症状:頭痛、消化不良、腹痛、筋肉痛、慢性的な疲れなど
- 精神的な症状:不安、焦り、眠れない、緊張感が強くなる
- 感情的な症状:低い自己評価、孤立感、無力感
仮面うつ病の原因について
原因:
仮面うつ病の原因は不確かですが、以下の要因が関与している可能性があります:
- 環境的ストレス:仕事や家庭でのプレッシャー
- 心理的要因:過去のトラウマや抑圧された感情
- 神経伝達物質の不均衡:脳内の化学的なバランスが影響を与えることがあります
仮面うつ病の診断について
診断:
仮面うつ病は身体的症状が目立つため、身体的な疾患として診断に至るまでに時間がかかってしまうことも多いです。病状の経過を長期で追わないと、うつ病の診断基準に当てはまらないこともありますが、精神的な状態も含めた総合的な評価が必要です。
仮面うつ病の治療について
治療:
治療は、薬物療法(抗うつ薬など)や精神療法(認知行動療法や対人関係療法)が有効です。身体的な症状が主に現れるため、体調改善のためのアプローチとともに心理的なサポートも重要です。
仮面うつ病は、身体の不調が目立つため、早期に受診と相談をして正しい検査や診断と治療を受けることが重要です。
よくあるご質問
FAQうつ病が再発するおそれはありますか?
うつ病がぶり返しやすい病気であるため、再発を予防することが大切です。
抑うつ症状が改善し、気分が軽くなってきたと感じるタイミングでは、「(良くなっているから)治療をやめたい」と思う方も多くいらっしゃるかと思います。
しかし、処方する薬には「症状の改善、状態をよくする」という働きに加えて、『状態を維持する』という効果もあります。
個人差はありますが、症状の改善がみられても『状態を維持する』ために、およそ半年から1年間は薬の服用を続ける必要があります。また、うつ病になりやすい「ものの見方・考え方」など自分の考え方のクセを知ることで、自分なりにものの見方を調整して、過ごし方や関わり方を見直しながら再発を予防することも大切です。
うつ病の薬って安全でしょうか?副作用ってありますか?
うつ病の治療で使われる抗うつ薬には様々な種類があり、それぞれに特有の副作用があります。一般的には、消化器系の問題や眠気、排尿に関する症状などが起こることがあります。
SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)を使用し始めると、吐き気や胃の不快感などの消化器系の副作用が現れることがあります。
一方、SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)では、排尿に関する問題(尿が出にくい、過剰に出る、または急に我慢できなくなること)や、消化器系の不調、頭痛、血圧の上昇などの副作用が見られることがあります。NaSSA(ノルアドレナリン・セロトニン作動性抗うつ薬)は、特に眠気が強くなることが多く、加えて体重が増えることもあります。
三環系および四環系の抗うつ薬では、神経伝達物質「アセチルコリン」の働きを抑えるため、抗コリン作用として便秘や排尿困難、口渇といった副作用が現れることがあります。
これらの副作用は、薬を飲み始めた初期に多く見られることがありますが、通常は時間と共に軽減していきます。
うつ病治療はどれくらいの期間がかかるのですか?
うつ病の治療において、症状の改善が見られるまでの期間には個人差がありますが、一般的には約3ヶ月ほどで改善が始まるとされています。しかし、実際には内服を開始して2週間後から少しづつではありますが、睡眠や食欲や外出の頻度や、急に涙が出ることの軽減など、日々治ったという自覚がハッキリしないレベルでゆっくりと症状の改善を呈してくることがほとんどです。
さらに、再発を防ぎ、完全に元の生活を取り戻すためには、治療に数ヶ月から1年程度かかることもあります。
【まとめ】治療の目安としては、以下のような期間が必要とされます
- 初期段階では、十分な休息をとりながら薬を服用し、内服後2週間くらいで少しづつ体調の変化がみられ始めますが、うつ病の症状を軽減するまでに約6〜12週間がかかります。
- 症状が安定してきた後も、安定した状態を維持する期間は約4〜9ヶ月程度が一般的です。
- 最後に、日常生活に徐々に戻り、再発のリスクをしっかりとコントロールするだけ病状治療をするためには、約1年ほどの期間が必要となることがあります。
心筋梗塞とうつ病には何かしらの関係がありますか?
心筋梗塞といった心臓疾患とうつ病には関連があるとされています。
【理由1】心筋梗塞を発症した後、3ヶ月以内にうつ病やうつ症状が現れる頻度は20~45%程度であるという報告もあります。
【理由2】また、元々うつ病を抱えている人は、そうでない人に比べて心筋梗塞を発症するリスクが高いという研究結果もあります。
このことから、心筋梗塞とうつ病には相互に影響し合う関係があると考えられています。
アトピー性皮膚炎とうつ病に関係はありますか?
アトピー性皮膚炎とうつ病には相互に影響を与える関係があります。
ストレスはアトピー性皮膚炎の発症や症状の悪化を引き起こす要因の一つとされており、そのためアトピーにかかること自体が心理的なストレスとなり、うつ病などの心の負担を増大させることがあります。
さらに、アトピー性皮膚炎による慢性的な症状や見た目の問題は、社会的な関わりに影響を与え、生活の質(QOL)の低下を招きます。これにより、治療への意欲が低下したり、自己管理が難しくなることがあります。
このように、アトピー性皮膚炎とうつ病はお互いに悪影響を及ぼし、悪循環を引き起こすことがあります。