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精神作用物質による精神障害への対応と注意すべきこと

抑うつ / 依存症

公開日:2026.09.22更新日:2026.09.22

精神作用物質による精神障害への対応と注意すべきこと

精神作用物質による精神障害は、物質の使用そのものだけでなく、使用を中止した後にもさまざまな精神症状が現れることがあります。

例えば、精神作用物質の使用を長期間続けていた方が、使用をやめて薬物が体から抜けた後にも、離脱症状や抑うつ状態といった気分の落ち込みや不安などの精神的な不調が現れて苦痛を感じてしまうことがあります。

回復に向けては、薬物の使用をやめるだけではなく、医療機関での治療や回復プログラムへの参加、同じ経験を持つ人との交流など、継続的な支援が大切です。必要に応じて薬物療法も取り入れながら、生活を立て直し、再使用を防ぎながら少しずつ回復を目指していくことも重要です。

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精神作用物質とは

精神作用物質とは、人の精神に影響を与える物質のことです。例を挙げるならばアルコールやタバコをはじめシンナーや覚せい剤、コカイン、ヘロイン、LSD、MDMA、大麻等の各種違法薬物等があります。また市販の薬や処方される医薬品等も、広義の精神作用物質といえます。これらはいたずらに乱用してしまうと、中毒(悪影響)を起こすことがあります。反復して使用することで脳の報酬系に作用し、快感を強め、やめられなくなっていきます。依存症となっていくのは、薬物に対する反応の度合い、ストレスなどの生活環境といった遺伝的・環境的要因が大きいとされています。

精神作用物質使用に伴う精神障害

ここでは、特に乱用の危険性がある覚せい剤と大麻について、その精神症状を説明します。

(1) 覚せい剤

覚せい剤は、わが国において覚醒剤取締法の対象となっている違法薬物です。覚せい剤にはアンフェタミンとメタンフェタミンがあります。わが国ではメタンフェタミンの使用がほとんどであるといわれています。

摂取すると初めは疲労感や倦怠感、眠気がとれ、自信に満ちた感じになりますが、客観的には落ち着きがなく、多弁、多動な様子が見られます。これらは急性症状と呼ばれ、接種して間もないころに現れます。何度も使用すると被害妄想や関係妄想、敵意などが現れ、攻撃的になります。また幻覚(幻聴や幻視)、思路障害も目立ちます。統合失調症に似ているといわれますが、統合失調症に比べて幻視が多く、また対人接触はよりよいこと等の違いがあります。

(2) 大麻

大麻はわが国において大麻草の栽培の規制に関する法律により栽培が、麻薬及び向精神薬取締法により使用が禁止されている違法薬物です。大麻の主成分はテトラヒドロカンナビノール(THC)とカンナビジオール(CBD)です。CBDに関しては乱用や依存の報告はないとされ、市販の栄養ドリンクやオイル等にも使われています。

大麻を使用すると、時間や空間の感覚に変化が起こり、想像力が強くなるといわれています。一方でこのような効果の後はTHCの影響により自発性の低下、感情鈍麻や記憶や注意の障害が現れ、軽い抑うつ感や無気力状態となります。使用を中止すると、焦燥感や神経過敏、食欲減退、不眠等の症状が現れます。

薬物療法

覚せい剤や大麻による精神障害に対する薬物療法の効果は、まだ研究途上にあります。そもそも症例数が少ないだけでなく、すでに薬物を摂取しているため、さらに薬物を加えるとなると相互作用によって悪影響が懸念されるためです。薬物と抗精神病薬の相互作用です。両化学物質を同時に摂取することは、場合によっては人体に悪影響を及ぼします。摂取した覚せい剤や大麻が抜けた後、精神症状に合わせた薬を処方するのが一般的な治療といえます。

そもそも薬物依存は心理社会的な問題でもあるため、回復プログラムとして薬物療法のみならず、心理療法や当事者同士で再使用を防ぐための自助グループ(DARCやNA等)を活用して治療を行う、その治療的役割はとても重要です

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まとめ

以上、精神作用物質による精神障害への対応と注意すべきことについて説明しました。

精神作用物質による精神障害は、急性期では統合失調症の陽性症状に似たようなものや、離脱後の陰性症状に似たようなもの等が挙げられます。これらに対する薬物療法は、まだ研究途上であり、解明されていないことも多いです。基本的には出現している症状に合わせて治療薬を選択しますが、場合によっては症状を増強させてしまうこともあるため、注意が必要です。

治療のポイントとしては、再発予防のために誘因となる精神作用物質からは距離をおくこと、定期的な通院や心理カウンセリングやDARC、NA等の自助グループを活用した回復プログラムに参加すること、薬物への欲求はまだ潜在しているため油断しないことや社会的役割との関係維持等が大切であると考えられます。こうした心理社会的治療を行ううえでは、医療機関だけでなく地域の社会資源を活用する等、多職種と連携していく必要があります。

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