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悪性腫瘍に伴う精神疾患とケアについて

がん診療とメンタルヘルス / 抑うつ / メンタルケア / 適応障害 / うつ病

公開日:2026.09.22更新日:2026.09.22

悪性腫瘍に伴う精神障害に対する薬物療法の適応と注意すべき点

今回、悪性腫瘍に伴う精神障害に対する薬物療法の適応と注意すべき点などについて解説しています。

悪性腫瘍は、本邦において、たいへん身近な病気であるとともに、いろいろな精神障害を合併する疾患であるといわれています。

とくに、悪性腫瘍では手術などの入院や通院といった生活スタイルへの影響や、その後の人生に関する計画にも影響を及ぼしてしまうことがあります。そのため心の不調を伴いやすく、時として悪性腫瘍の治療そのものにも影響を及ぼしてしまうことも少なくありません

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悪性腫瘍の診断と、メンタルの不調について

悪性腫瘍と診断されると、病気そのものへの不安だけでなく、これから始まる治療や生活の変化、将来への心配など、さまざまな思いが頭をよぎります。患者さんの多くが経験する可能性がある心理的状態としては、「不安」や「落ち込み」が主要な症状として知られています。

「この先どうなるのだろう」「治療はつらくないだろうか」と考え続けることで、気持ちが落ち込み、何をするにも意欲がわかなくなることがあります。こうしたうつ状態に加えて、不安が強くなったり、夜になっても考えが止まらず眠れなかったりすることも少なくありません。

不眠が続けば、疲労感や集中力の低下にもつながり、さらに気分が落ち込むという悪循環に陥ることがあります。悪性腫瘍の治療では、身体のケアだけでなく、こうした心の変化にも目を向けることが大切です。

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悪性腫瘍に伴う精神疾患とは

悪性腫瘍に伴う、心理的状態としては、「不安」や「落ち込み」が主要な症状として先に紹介をしましたが、これらの症状は、がん患者さんにとっては、ある程度自然反応であり、すぐに専門的な治療が必要というわけではないというのも特徴です。しかし、社会生活や日常場面に特別支障が出る程度にひどい状況であれば、薬物治療などを含めて、解決方法を考慮することがとても大切となります。

また適切なタイミングで医療のケアにつなげるためにも、悪性腫瘍の治療に関連したメンタルの変化にも気を付けることが大切です。

悪性腫瘍の治療に関連したメンタルの変化について

悪性腫瘍の治療に伴って、脱毛などの外見の変化が起こる可能性があり、こうしたエピソードが、がん患者さんに心理的ストレスをかけて、抑うつ状態などの精神障害を呈したり、悪化させたりする恐れがあると考えられます。

一般的に、がんの治療では、手術療法や薬物療法、放射線療法などを組み合わせる集学的治療が行われ、これらのがんの治療による「外見の変化」は、患者さんにとって身体的な負担、あるいは心理的・社会的に大きな負担となっています。

そのなかでも、特に、化学療法に伴う頭髪やまつ毛・眉毛の脱毛、手・顔・爪の変色(色素沈着)、爪の変形などの「外見の変化」の生活への影響が注目されていて、外見の変化が生じると、仕事や育児・介護などの場面で様々な弊害が生じます。

ときには周囲の方の視線が気になって今までのような役割を果たすことが困難になる、あるいは高齢のがん患者さんの場合には、趣味やボランティアの活動やデイサービスなどの外出がおっくうになって、気分が沈みがちになり、普段の生活活動の質低下が生じることになります。

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ターミナルケア時のメンタルケアも大切

ターミナルケアでは、身体的な苦痛を和らげることだけでなく、その人が抱えている不安や恐怖、寂しさなどの心のつらさに寄り添うことも大切です。病状の進行や治療への不安、死を意識することで、気分の落ち込みや不眠、強い不安が生じることがあります。

また、ご本人だけでなく、ご家族も「これからどう過ごせばよいのか」「何をしてあげられるのか」と悩み、精神的な負担を抱えることがあります。無理に前向きになろうとせず、その人の気持ちや希望を尊重しながら、安心して過ごせる環境を整えることが大切です。医療者や家族が話を聴き、必要に応じて専門的な心理的支援につなげることも重要なケアの一つです。

悪性腫瘍に伴う精神疾患に対する薬物療法の適応と注意点

疾患そのものに随伴する症状や苦しみによって、過重的にストレスがかかり、心理的にうつ気分に陥ったり、その状況に適応できなくなる状態などに変化する可能性を有しており、結果として適応障害やうつ病などの精神疾患を合併することも少なくありません。

うつ病や適応障害を発症した際には、全般的に気持ちがどんよりと沈み、食事や運動など、日常生活動作を実施する気力がなくなったり、ネガティブな考えに陥って、定期受診をしなくなる、あるいは判断力低下に伴って、通院を忘れる、適切な治療を受けなくなってしまうなどが起こってしまうことがあります。

その結果、本来であれば、がん疾患に対して必要とされている専門的治療が十分に行えず、がんの病状が進行して起きうる不調や精神症状の悪化など、広範囲に負のサイクルを引き起こす恐れがあるため、迅速に適切なメンタルケアを施すことが重要となります。

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薬物治療の注意点について

医療機関では、心理療法や薬物治療、あるいは生活を順調に送る上でのアドバイスなどを提供します。

特に入院している状況下では、不眠症状が認められやすく、メラトニン受容体作動薬やオレキシン受容体拮抗薬などの睡眠薬を使用することがあります。また、高齢のがん患者さんにおいては、全身の予備能力が低く、がん治療に伴う負担が過重的に加わることによって、肉体的にも精神的にも大きな影響を受けることが予想されます。

悪性腫瘍に伴って発症する適応障害やうつ病に対しては、基本的には薬物を使用しない治療法がまずは検討されますが、がん患者さんの個々の状態に照らし合わせて、抗不安薬や新規抗うつ薬が選択されることも考えられます。

これらの薬物を実際に服用処方する場合には、それぞれのがん患者さんにおいて、肝機能や腎機能など臓器機能などに注意しながら、適切な用法用量で薬剤調整を実施することが重要です。

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さいごに

さいごに、悪性腫瘍の診断から治療、そしてターミナルケアに至るまで、患者さんの心にはさまざまな不安や葛藤が生じます。うつ状態や不安、不眠といった症状は、決して「気持ちの問題」だけではなく、病気や治療による大きなストレスの中で起こり得るものです。だからこそ、身体の治療と同じように、心のつらさにも目を向けることが大切です。

本人の言葉に耳を傾け、気持ちを否定せず、その人らしく過ごせる時間を大切にすること。それは、治療中であっても、人生の最終段階であっても変わりません。患者さんとご家族が少しでも安心してその時間を過ごせるよう、医療者や周囲の人が寄り添い、支えていくことも大切です。

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