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ノンレム睡眠覚醒障害とは?

睡眠障害・不眠症 / ノンレム睡眠覚醒障害

公開日:2024.05.11更新日:2024.05.11

【ノンレム睡眠覚醒障害について】睡眠に関するお話

今回は、ノンレム睡眠覚醒障害(睡眠時遊行症)についてのお話です。

この「ノンレム睡眠覚醒障害」とは病気は、眠っている最中に寝床から起き上がって歩き回る症状があります。本人は、十分に目が覚めていない状態です。ノンレム睡眠覚醒障害(睡眠時遊行症)とはどんな病気か、どのような人がなりやすいか、目覚めさせる方がよいのか、症状、治療、受診の目安などについて解説します。

【ノンレム睡眠覚醒障害とは】どんな病気?

夢遊病とも呼ばれる

ノンレム睡眠覚醒障害(睡眠時遊行症)は、眠っている間に十分に目が覚めていない状態で、寝床から起き上がって歩き回るという症状があります。本人の表情はうつろで、視線を動かさず、話しかけても反応しません。意識をこちらに向けようとしてもできない状態です。夢遊病とも呼ばれ、本人は無意識ですが、複雑な行動をとることがあります。

周囲への注意、環境への反応力が一部保たれる

ノンレム睡眠覚醒障害(睡眠時遊行症)では、自分が置かれている環境に対して適切に反応できることがあります。例えば、ものにつまずいたりぶつかったりしないようによけることが可能です。一方で適切に対応できないこともあり、窓から落ちたり車道に飛び出したりすることなど、危険なことがあります。

ノンレム睡眠覚醒障害・夢遊病の人には、どの様に対応したら良い?

また、症状を起こしている最中人を完全に目覚めさせるのは難しく、無理に覚醒させようとすると錯乱状態となり危険です。そのため、揺さぶったり大きな声で目を覚まさせようとするのではなく、穏やかに寝床に戻るように促すとよいでしょう。錯乱した状態になると、本人は攻撃されていると感じてしまい、自分を守るために相手に対して暴力的な行動をとることが考えられます。

ノンレム睡眠覚醒障害とは、どんな人がなりやすいの?

「ノンレム睡眠覚醒障害」とは、子どもが歩き始める年齢から70歳ごろまで起こりうる病気です。しかし、大人のノンレム睡眠覚醒障害(睡眠時遊行症)はまれで、よく見られる年齢は3−12歳頃までです。子どもの場合は、それほど珍しくありません。青年期以降には、自然に症状が見られなくなっていくことが多い傾向です。

ノンレム睡眠覚醒障害、受診の目安とは

頻繁にノンレム睡眠覚醒障害の症状が現れたり、本人あるいは周囲の人にも危険が及ぶ場合などは医療機関を受診しましょう。

子どもは、成長過程で見られることや、成長の過程で改善していくことも多いですが、翌日の日中の活動に影響があるときなどの場合には受診をおすすめします。

睡眠外来だけではなく、大人は神経内科、子どもは小児科受診して相談が可能です。

ノンレム睡眠覚醒障害かも。どんな検査をするの?

症状が現れているときの動画や、症状の詳細な説明はとても大切です。典型的なノンレム睡眠覚醒障害と判断されると、特に検査は必要ありませんが、症状や経過が典型的ではない場合や、他の疾患と鑑別が必要な場合には、終夜睡眠ポリグラフ検査、脳波検査などを行う場合があります。

ノンレム睡眠覚醒障害の治療とは?

症状の頻度や、本人や周囲の人が怪我をするような状態によっては、治療が必要です。特に危険がない場合は、成長と共に自然に症状がなくなる事も多いので、特別な治療を行わず経過観察をすることもございます。

ノンレム睡眠覚醒障害で、気をつけることは?

睡眠の環境に気をつけよう

予防や治療後には、次のようなことに注意するとよいでしょう。

  • 十分な睡眠時間をとる
  • 生活リズムを見直す
  • 強いストレスや疲れを避ける
  • 寝る場所の光や音に配慮する
  • 寝る前にはトイレをすませる

睡眠の環境だけではなく、睡眠の質への配慮も大切です。

さいごに

今回は、ノンレム睡眠覚醒障害について記載しました。症状の特徴や治療、さらには生活において気をつけるべきポイントについても紹介をしました。

ノンレム睡眠覚醒障害では、睡眠途中に突然起き上がって歩き回ったり、呼びかけにはあまり反応しないといった状態になります。無理に目を覚まさせようとすると、逆に危険な行動を取ることがあるため、穏やかに寝床に戻るように促すことも大切です。子どもには珍しくない症状のひとつでもあり、成長と共に自然になくなっていくことが多いという特徴もあります。

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野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など