心療内科の受診を考える人へ「迷ったときが相談のタイミング」について名古屋ひだまりこころクリニック名駅地下街サンロード院が心療内科ブログで解説

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心療内科の受診を考える人へ「迷ったときが相談のタイミング」とは

精神科・心療内科 / うつ病 / 不安症・不安障害

公開日:2025.07.12更新日:2025.07.23

Ⅰ. 「様子見」のままで本当に大丈夫?

仕事や家事がいつも通りこなせない。寝ても疲れがとれない。周囲とのやりとりが億劫に感じる。そんなとき、多くの人が「しばらくすれば良くなるはず」と様子を見る選択をします。

しかし、ここで重要なのは、“どのくらいその状態が続いているか”です。

2週間以上、精神的な落ち込みや身体的な不調が改善せず、生活に支障が出ている場合、それは単なるストレスの範疇を超え、医療的な介入が必要な「機能低下」である可能性があります。

Ⅱ. 医療機関の受診を検討すべき“兆候”とは

心療内科や精神科の受診が検討されるのは、次のような状態が続いているときです

日常生活に表れる変化

  • 朝起きられず、遅刻や欠勤が増えている
  • 興味関心が失われ、好きだったことが楽しめない
  • 人と話すことすら避けるようになった

身体面の異変

  • 頭痛、腹部不快感、吐き気など、検査で異常がない身体症状がある
  • 睡眠に問題があり、日中に支障をきたしている
  • 疲れが慢性化していて、回復しない

心の状態の変化

  • 理由もなく涙が出る
  • 「消えてしまいたい」「全部投げ出したい」と感じる
  • 思考のスピードが落ち、集中ができない

これらは特定の診断名がつかなくても、「抑うつ状態」や「不安状態」として医療介入の対象となります。

Ⅲ. 「診断名がつくかどうか」より「困っているかどうか」

しかしよく、「診断がつくほどじゃない」「このような症状の相談でも良いのか?」と感じて受診を迷う方がいます。

しかし実際には、診断名の有無よりも、「その人の生活にどれだけ支障が出ているか」が心療内科を含めた心の不調の診療では重要でもあります。心療内科ではその特性上、初回の診断がそのまま継続するわけでは必ずしもなく、困りごとに対するアドバイスや心理教育、必要があれば生活調整の支援を併用しながら、薬物治療を体調に応じて併用しながら治療が行われ、そのように治療の経過を追っていきながら心療内科の診察は進められます。

Ⅳ. 初診でよくある質問とその答え

「薬を出されるのが心配」

多くの方がこの点に不安を抱きますが、初診でいきなり薬が処方されるとは限りません。希望があれば、薬を使わずにケアする案を提案したりするなど、病状に応じてお薬をご相談と提案をいたしております。

「話がまとまっていないけど大丈夫?」

問題ありません。予診や医師の診察に於いてさまざまな質問を通じて必要な情報を整理します。上手くまとめて話しをするのが苦手でも、緊張している方が少しでもご安心して状況をお話頂けるように配慮をいたしております。

「1回だけの相談でもいいの?」

もちろん可能です。継続通院が前提ではなく、あくまでも病状に応じての判断となります。病状に応じては、1回の診察だけで通院が必要なくなったり、病状が整理できて生活へのアドバイスや助言、更には治療をも完結してしまうことも少なくありません。

Ⅴ. 心療内科の対象は“病気”だけではない

心療内科の対象は、うつ病パニック障害などの明確な疾患だけに限りません。以下のような状況も相談対象です

  • 職場や学校でのストレスによる体調不良
  • 家族関係や育児、介護に伴う精神的疲労
  • 不眠、過食・拒食などの生活リズムの乱れ
  • 特定の人との関係が極端に疲れる

「自分の状態が診断のつく病気かどうかわからないのに、先生に相談したら恥ずかしいのかな?」と遠慮してしまう必要はございません。何よりも、「何となくつらく生活にも影響がある」そうした“違和感”や”支障”の段階から、医療的なサポートを受けることも重要なポイントでもあります。

Ⅵ. 専門的にみる“早めの受診”のメリット

  • 状態の進行を防げる
  • 短期間での回復が見込める
  • 診断書や意見書を通じて環境調整が可能になる
  • 睡眠や生活習慣の改善方法が得られる
  • 必要に応じて心理士・精神保健福祉士との連携も可能

Ⅶ. クリニック選びで確認したいポイント

チェック項目 内容
初診の予約方法 完全予約制か、当日受付があるか
医師の対応姿勢 話を遮らず、質問しやすいか
治療の幅 薬だけでなく心理療法も選択肢があるか
継続性 医師が毎回変わらないか、通いやすい立地か

精神疾患かどうか、診断がつくかどうかを気にする必要はありません。不調がきっかけで上手く生活が送れない・支障が生じている、自分の困っている状態を整理したい・改善したい、そう思った瞬間が、医療につながるタイミングでもあります。

我慢し続けるよりも、少しでも改善する選択肢の一つとして医師に相談してみること。その行動が、回復の糸口になります。

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野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など

野村 紀夫

この記事の監修者

理事長

野村 紀夫

医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など