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Hidamari Kokoro Clinic
「良い心療内科医」の見つけ方|後悔しないクリニック選びのコツ
精神科・心療内科
公開日:2025.07.03更新日:2025.07.12
[ Index ]
自分に合った精神科・心療内科クリニックを選ぶために
「信頼できる場所」と「共に治療できる人」を見つける視点
「最近、心が晴れない」「ずっと疲れが取れない」。そのような違和感を抱えながらも、精神科や心療内科の受診をためらう方は少なくありません。
また、いざ病院を探してみても、検索結果には多くのクリニックが並び、「どこを選んでよいかわからない」という戸惑いの声も多く聞かれます。
心の医療というのは、身体の病気とは異なって、検査データや目に見える数値で評価するのも難しい領域でもあります。だからこそ、見えにくい病気・簡単にイメージしづらい治療であるがために、医師の力量や相性、そしてクリニックの体制までもが、治療の質を左右するのです。
本記事では、初めての方にもわかりやすく、「精神科・心療内科クリニックを選ぶ際に注目したい視点」と「信頼できる医師を見分けるポイント」について丁寧に解説します。
技術だけではない。「心の医療」に求められる視点とは
「医師との関係性」×「治療の提案」の重要性
身体の治療においては、実績や技術が重視されることが多いですが、心の治療では同等に「医師との関係性」も重要です。
精神科や心療内科では、診断や治療方針を一方的に決定するのではなく、患者さんの声に耳を傾けながら、患者さんと共に治療へと歩んでいくスタイルが求められます。
しかしながら、ただ「話しやすいだけ」の医師では治療が進みにくいこともあります。つまり、医師との信頼関係ができてさえいれば良いのではなく、さらにその先、「信頼関係」と共に、「治療提案」を患者さんと一緒になって組み立てていくことができるかという点がとても大切なのです。
- ただ丁寧に話を聞いてくれることだけではない
- ただ医学的に妥当な提案をするだけではない
つまりは、「信頼関係」×「治療提案」の両方が大切なのです。
良い精神科医・心療内科医を見極める10の視点
「信頼関係をもって相談ができること」と「医学的に妥当な提案をしてくれること」の両方をバランス良く持ち合わせている存在が、良い精神科医・心療内科医とも言えます。ここでは、その良い精神科医・心療内科医を見極める10つの視点について解説をいたします。
粘り強く向き合う姿勢がある
こころの治療は、医学的な治療だけではなく、患者様の直面する困難や辛さに対しても寄り添い、アドバイスや助言を行うことも時には重要です。そのような患者様の抱える困難や辛さに、すぐに答えが出なくても、あきらめず一緒に考え続けてくれる医師や、寄り添ってくれる医師はこころの治療でも大切です。
必要に応じて他の支援へつなげる判断力がある
すべてを一人で抱え込まず、他の専門医や支援機関との連携を柔軟に行えるかがポイントです。自分だけではない、いろいろな視点やケアを取り入れてみることで、精神医療をより深く強い治療へとつなげることも可能になります。
個別に合わせた説明・治療提案ができる
マニュアル通りの説明ではなく、言葉の選び方や伝え方に配慮がある医師が望ましいでしょう。時には、医師の言葉としてだけではなく、パンフレットや薬剤情報などを用いながら、治療提案してもらうことで、安心感や納得感にも繋がります
耳に痛いことも、関係性の中で誠実に伝えてくれる
不調の背景にある生活習慣や思考の癖について、必要なことは率直に伝える姿勢も大切です。「自分の要求通りに医師が振舞ってくれるか?」ではなく、一緒に治療を組み立てる関係として、対話を通した誠実な診療関係が大切です。
「傾聴」だけでなく、適切な治療提案ができる
共感だけで終わらず、医学的な視点からのアプローチがあるか確認しましょう。「ただただ話を聞いてくれるか」だけではなく、治療提案や生活面へのアドバイスなど、診療に関する提案も重要です。
時間が限られていても、関心を向けてくれる
診療時間が短くても、患者の言葉を丁寧に拾い上げようとする姿勢は重要です。しかし、あれもこれも…ではなく、今の状況にマッチした提案や、優先順位を意識してフォーカスをあてた診療構成も大切です。
薬だけに頼らず、生活や環境の視点も持っている
日常のストレス要因や人間関係への配慮も含め、治療を多角的に考える姿勢があるか。生活や環境への配慮やアドバイスを体調や病状に応じて提案を行うことも大切です。
患者の持つ「回復力」に目を向けている
医師主導ではなく、患者自身の力を引き出そうとする支援ができるか。患者自身の行動選択や意識の変化など、主体性を意識した診療や治療の提案も大切です。
医療制度や福祉サービスについても理解がある
自立支援医療や就労支援など、医療外の制度にも通じていると安心です。特にこころの不調の治療に関連して、さまざまな医療制度や福祉サービスがあります、それらの適切な利用によって安心して治療を行ったり、回復へ向けて体調を整えることが可能になります。
継続的な学びを怠らない姿勢がある
医学は日々進歩しています。新しい知見や社会情勢への関心を持ち、常にアップデートしている医師は治療提案の安心感と安定感にも繋がります。
クリニックを選ぶ際に確認したい6つの視点
1. 通いやすさと診療時間の柔軟性
通院そのものが大きな負担になることもあります。無理なく通える距離、生活リズムに合った時間帯(夜間や休日診療など)の有無も確認しましょう。
2. 主治医制の有無
心の治療では、継続的な関係が大切です。安心して、信頼関係をきづきながら、相談しづらいことも主治医制をとっているか、また診察内で主治医から次回の診察予約の提案があるかどうかも重要です。
3. 急な受診への対応体制
気分の波や急な不調に対応できるかどうかも、継続通院のカギになります。再診が取りやすい、急な体調や都合に合わせた予定の変更にも柔軟に再診受診の対応があるかなど、受付体制も確認しておきましょう。
4. 臨床心理士など心理職が在籍しているか
心理検査や心理的な評価は、言葉にしづらい不調を客観的に把握するうえで有効です。臨床心理士や公認心理師が在籍しているかどうかも、安心材料のひとつです。
5. 制度利用へのサポートがあるか
心の病気は、仕事や生活にも影響を及ぼします。自立支援医療、就労支援、傷病手当金など、必要な福祉制度への理解と案内があるクリニックは、暮らし全体を支える視点を持っています。また、そのような制度を適切に案内をしてもらうためにも、精神保健福祉士が在籍しているかという点もとても重要です。
6. 診療分野の専門性が合っているか
クリニックごとに、発達障害、うつ病、不安障害などの得意分野があります。ホームページや紹介文をよく確認し、自分の不調とマッチしているかを見極めましょう。
「医師との関係性」の中で、「相性」も大切な要素
精神科・心療内科では、医師との相性も治療継続に大きく関わります。「話しやすい」「安心できる」「この先生と一緒に頑張れそう」という感覚は、数回通ってみないと分からないことも多いものです。
複数の医師が在籍しているクリニックであれば、相性や通いやすさに応じて主治医を変更できる柔軟さも魅力です。
ただし、毎回医師を変えてしまうのは逆効果になることも少なくありません。「医師が、自分の思い通りにしてくれない」「自分の要求通りにいかない」と感じたときには、もしかしたらそれは医師との相性問題ではなく、「対人関係の課題」や「治療抵抗」が背景にある場合もあり、更に症状の問題が顕在化してしまうことも少なくありません。
情報を見るときの注意点
口コミ
参考にはなりますが、評価には個人の主観も含まれます。特に、極端な評価や決めつけには注意が必要なこともあります、例えば強く批判する投稿の背景には、時として精神症状をも含めた諸背景が影響していることも少なくなく、感情的な投稿や極端な内容は慎重に読み解くことも大切になります。
医師の経歴
精神科専門医、精神保健指定医などの資格は、一定の実績を示します。ただし、学歴や論文数だけでは臨床の質までは測れないこともあり、実際には診療を通してしか気づけない、治療の関係性や医師との相性もあります。
ホームページの印象
院長の言葉やブログ、診療方針などから、クリニックの雰囲気が伝わることもあります。直感的に「通いやすそう」と感じるかも大切な判断材料です。
クリニックでは難しいケースとは?
以下のような場合は、クリニックでは対応が難しく、精神科病院での入院や集中的な治療が必要になることがあります。
- 自殺の危険が高い
- 他害のリスクがある
また、心の治療は、信頼関係の上に成り立つものであるため
- 著しい暴言・暴力・威圧行動がみられる
場合にも、受け入れ側の体制にも限界が生じてしまうこともあります。
安心して「通える場所」と「話せる人」を見つけよう
心の治療は、短期間で完了するものではなく、長く向き合っていくプロセスです。
- この場所なら安心して通える
- この先生となら、一緒に頑張れそう
- ここなら、提案を受け入れ、診療も任せられる
そう思える医師やクリニックに出会えたとき、治療は大きく前に進みます。情報だけに頼らず、実際に足を運び、自分の「安心感」も大切にしながら、信頼できる場所を見つけていきましょう。
名古屋ひだまりこころクリニック名駅地下街サンロード院は名古屋駅から徒歩1分の心療内科,精神科,メンタルクリニックです。「医師との関係性」×「治療の提案」の重要性を重視し日々精神医療に携わっております。お気軽にご相談くださいませ。
野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など