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ゆっくりでも大丈夫。うつ病からの回復過程で大切なこと
非定型うつ病 / 生活習慣 / 心理面・思考 / うつ病
公開日:2025.02.18更新日:2025.03.02
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うつ病からの回復過程で大切なこと
うつ病からの回復は、決して一直線ではなく、山あり谷ありの道のりです。「早く元気にならなきゃ」と焦る気持ちが出てくることもありますが、回復には時間がかかるもの。「昨日は調子がよかったのに、今日は何もできない…」と落ち込む日もあるかもしれません。
ですが、実はうつ病の病状には波があるし、その回復の過程にも良くなったり悪くなったりといった波があるのが当たり前なのです。
大切なのは、焦らず、ゆっくりと自分のペースで進むこと。今回は、うつ病からの回復過程で意識したいことをお伝えします。
「回復には波がある」と知っておく
うつ病の回復は、まるで波のようなものです。調子の良い日があっても、また気分が沈む日が訪れることがあります。でも、それは「回復していない」というわけではありません。
たとえば、風邪をひいたとき、熱が下がってもまだ体がだるいことがありますよね。うつ病も同じで、「気分がいい日が増えてきた=すぐに完全回復」ではありません。むしろ、回復の過程で気分の浮き沈みがあるのは自然なことなのです。
「今日はしんどいな…」と思う日があっても、それを「ダメな日」と決めつけてしまう必要はありません。そういう時もあると、無理をせず、今の自分を受け入れることが大切です。
「できること」より「休むこと」を大切に
回復期に入ると、「そろそろ仕事に戻らなきゃ」「家事をちゃんとしないと」と思いがちです。でも、少し元気になったからといって、すぐに無理をすると、かえって症状が悪化してしまうこともあります。
特に、まじめで責任感が強い人ほど、「ちゃんとしなきゃ」という思いが強くなりがちです。しかし、うつ病を含めたメンタル不調からの回復で何よりも大切なのは、「自分を追い込まないこと」でもあります。
今は「何かを頑張る」よりも、「ちゃんと休む」ことが必要な時期かもしれません。体調回復には休息が不可欠です。
小さな「できた」を大事にする
うつ病が回復してくると、「少しずつ何かをしようかな」「あれもこれもやりたいな」と思える日が出てきます。でも、いきなり大きな目標を立てると、思うようにできなかったときに落ち込んでしまうこともありますし、焦りにも繋がってしまいます。
そこで大切なのは、「小さなできた」を積み重ねることでもあります。
たとえば…
- 朝起きて顔を洗えた
- ベッドから出てリビングに行けた
- ごはんをちゃんと食べられた
- 5分だけ散歩してみた
どんな小さなことでもOKです。「これができた」と感じられることを積み重ねていくと、少しずつ自信が戻ってきます。
「回復したら○○しなきゃ」と考えすぎない
- 「うつ病が治ったら、仕事をバリバリ頑張らなきゃ」
- 「回復したら、もっと周りに迷惑をかけないようにしなきゃ」
こんなふうに、「回復後の自分」に、意図せずプレッシャーをかけてしまうことはありませんか?
でも、回復後に「こうしなきゃ」と決めすぎると、それがプレッシャーになってしまうし、回復へのハードルを上げてしまうことにもなるので、かえって回復が遅れることもあります。
今は、「治ったあとのこと」よりも、「今日をどう過ごすか」を大切にしましょう。
ひとりで抱え込まず、頼れるものを見つける
うつ病の回復過程では、「ひとりで頑張りすぎない」「ひとりで抱えすぎないこと」も大切です。
- 信頼できる家族や友人に話を聞いてもらう
- カウンセリングや医師のサポートを受ける
- うつ病経験者の体験談を読む
- SNSやオンラインのコミュニティを利用する
「誰かに頼るなんて…」と思うかもしれませんが、不調の時こそ支えが必要な時もあります。つらいときは、一人で抱え込まず、心療内科や精神科などの医療機関なども含めて、頼れるものを活用しましょう。
まとめ:回復のペースは人それぞれ
うつ病の回復には、時間がかかります。でも、それは決して「遅い」でも「寝ているだけ」の時間ではなく、「あなたにとって必要な時間」なのです。
今回の記事で紹介したポイントをまとめました
- 回復には波があることを知る
- 休むことを最優先にする
- 小さな「できた」を積み重ねる
- 「回復後の自分」にプレッシャーをかけない
- ひとりで抱え込まず、頼れるものを見つける
焦らず、自分の歩幅で進んでいきましょう。少しずつでも前に進んでいることが大切です。