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うつ病の波に振り回されないために。調子のいい日・悪い日の付き合い方
非定型うつ病 / 生活習慣 / 心理面・思考 / うつ病
公開日:2025.02.18更新日:2025.02.18
調子のいい日・悪い日の付き合い方
うつ病の症状は、常に一定ではありません。「今日は少し気分がいい」と感じる日もあれば、「何もできないほどしんどい…」と感じる日もあります。この浮き沈みを繰り返すうちに、「せっかく良くなったと思ったのに、また悪くなった」「いつになったら治るんだろう…」と、不安になってしまうこともあるかもしれません。
しかし、うつ病には「波」があるのが特徴ともいえる疾患です。良い日もあれば悪い日もある——それは回復の過程において自然なことなのです。そこで今回は、うつ病の波に振り回されず、上手に付き合うためのポイントをお伝えします。
うつ病の波とは?
うつ病の回復は一直戦ではなく、上下の変化を伴う特徴がある
うつ病の回復は「一直線に良くなる」のではなく、「良い日と悪い日を繰り返しながら、少しずつ回復していく」という特徴があります。この波があることで、「治ったと思ったのに、また落ち込んだ…」と絶望してしまう人も少なくありません。しかし、この浮き沈みは決して異常なことではなく、むしろ「良くなっていく過程の一部」なのです。
調子の良い日と悪い日、それぞれの付き合い方
① 調子の良い日の過ごし方
「今日は気分がいい!」と感じると、「よし、今までできなかったことをやろう!」と張り切りすぎてしまうことがあります。しかし、その反動で翌日ぐったりしてしまうことも多いのです。
▼ 調子の良い日のポイント
- やりすぎないこと➡「元気なうちに色々やらなきゃ!」と思うと、翌日に疲れが出てしまいます。少し物足りないくらいでストップしましょう。
- リズムを整える➡できるだけ同じ時間に起きて、同じ時間に寝る。生活リズムを安定させることで、調子の波を小さくできます。
- 「できたこと」を記録する➡小さなことでも「今日は○○ができた」とメモしておくと、気分が落ち込んだ日に見返してみることができ、励みにもなります。
② 調子の悪い日の過ごし方
「今日は何もしたくない」「体が重くて動けない」そんな日もあるでしょう。そんな時に大事なのは、「無理に頑張らないこと」と「自分を責めないこと」です。
▼ 調子の悪い日のポイント
- とにかく休む➡「何もできない自分が嫌だ…」と感じるかもしれませんが、うつ病の回復には「休むこと」も大切な治療のひとつです。
- 最低限のことだけやる➡「ご飯を食べる」「水を飲む」など、生きるために必要な最低限のことができればOK。
- 「また良くなる」と信じる➡「このまま良くならないかも…」と思ってしまうこともありますが、うつ病には波があるので、また良い日が必ずやってきます。
うつ病の波に振り回されないために
① 「波があるのが普通」と理解する
うつ病は、良い日と悪い日を繰り返しながら回復していくものです。「今日はダメでも、また良い日が来る」と思えるようになると、不安が和らぎます。
② 「1週間・1ヶ月単位」で見る
「今日は何もできなかった…」と1日単位で考えると、「今日もダメな日」として、落ち込んでしまうことが多くなります。しかし、「1週間前と比べてどうか?」「1ヶ月前より少し良くなっているか?」と長い目で見ると、回復の実感が得やすくなります。今日の様子に一喜一憂するのではなく、自分の変化を広い視点で捉えてみるのも大切です
③ 周囲の人に理解してもらう
家族や職場の人に「うつ病には波があること」を知ってもらえると、無理をしなくて済みます。「調子が良い日もあれば、悪い日もある。これは病気の特性だから、焦らず見守ってほしい」と伝えておくと安心です。
まとめ「焦らず、波と上手に付き合おう」
うつ病の回復には、必ず波があります。良い日が続いても、また悪い日が来ることもあるという特徴があります。でも、それは決して「悪化した」というわけではなく、少しずつ前に進んでいる証拠です。
大切なのは、調子の良い日に無理をしすぎず、悪い日はしっかり休むこと。そして、「また良い日が来る」と信じて、焦らずに付き合っていくこと、治療に取り組んでいくことです。うつ病の波に振り回されることなく、むしろその特徴を理解しながら自分のペースで、少しずつ前に進んでいきましょう。