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電車や人混みでの発作、どうすればいい?”その場でできる対処法”5選
不安症・不安障害 / パニック症・パニック障害 / パニック発作
公開日:2025.03.15更新日:2025.04.03
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パニック発作と”その場でできる対処法”5選
電車や人混みの中で、突然の動悸や息苦しさ、めまいに襲われたことはありませんか?
「このまま倒れてしまうかも…」「逃げ出したいけど動けない…」そんな恐怖を感じるのがパニック発作です。特に、逃げ場のない場所や人が多い状況では不安が倍増してしまいますよね。
でも、そんな場面でも「その場でできる対処法」を知っておけば、発作を落ち着かせることができます。今回は、電車や人混みでも実践できる方法を5つ紹介します。
「これはパニック発作だ」と認識する
まず大事なのは、「自分は今パニック発作を起こしているだけで、命に関わる状態ではない」と理解することです。
パニック発作の症状は、動悸、息切れ、めまい、吐き気など身体の異常に思えますが、実際は脳の「誤作動」が原因です。危険な状態ではなく、時間が経てば必ず収まります。
「これはただの発作だ」「怖いけど、必ず落ち着く」と繰り返し自分に言い聞かせたり、恐怖がいっぱいで頭で冷静に判断できない時には、敢えて声に出すことで、不安の悪循環を断ち切りやすくなります。
呼吸を整える
パニック発作のとき、息苦しさを感じて無意識に呼吸が浅く速くなってしまいます。これが過呼吸を引き起こし、さらに苦しくなってしまうのです。
そんなときは、ゆっくり、深く、規則的に呼吸を整えることが大切です。
おすすめの呼吸法は「4-7-8呼吸法」。
- 4秒かけて鼻からゆっくり吸う
- 7秒間息を止める
- 8秒かけて口からゆっくり吐く
これを繰り返すと、副交感神経が優位になり、心拍数が落ち着いていきやすくなります。ここで大切なポイントは息を「吐く」ことを意識するのがポイントです。
身体の感覚に集中する
発作中、意識が「どうしよう」「怖い」という不安でいっぱいになると、さらに症状が強く感じられてしまいます。
そこで、意識を「つらい症状」や「怖さ」よりも、「身体の別の感覚」に向けるのが有効です。たとえば、
- 足の裏を感じる➡「足の裏が地面にしっかりついている」と意識する
- 手を冷やす➡ペットボトルやバッグを触って、ひんやりした感覚に集中する
- 味や匂いを感じる➡ガムや飴を口に入れて、味覚に注意を向ける
こうした「今この瞬間の感覚」に集中することで、恐怖や不安から意識を引き離しやすくなります。
「逃げなくていい」と自分に許可を出す
電車や人混みの中で発作が起きると、「早くこの場から逃げなきゃ」と思うのが自然です。でも、逃げることを考えたり、すぐに思う行動ができない状況である時にこそ、さらに焦ってしまい、発作が悪化することも少なくありません。
そんなときは、「逃げなくて大丈夫」「ここにいても安全」と自分に許可を出しましょう。
「倒れてしまうのでは?」「迷惑をかけるのでは?」と考えてしまうかもしれませんが、実際に倒れることはほとんどありませんし、もし倒れても周囲の人が助けてくれます。
「このままでいい」「落ち着けば大丈夫」と、逃げる必要がないことを自分に言い聞かせるだけでも、「逃げられない」という感覚よりも、ぐっと安心感が生まれやすくなります。
「もしものための安心アイテム」を持ち歩く
発作が起きるのが怖くて外出を避けたくなることもありますよね。でも、「もしもの備え」があるだけで安心感がぐっと増します。
例えば、
- 水や飴➡口の中が渇くと不安が増すので、こまめに水分補給を
- リラックスできる香り➡好きな香りのアロマやハンカチを用意しておく
- 不安を書いたメモ➡「大丈夫、すぐに収まる」と書いたメモを見て安心できる
さらに、「緊急連絡先をスマホに登録」「近くの駅やトイレの場所を調べておく」などの準備も、不安を軽減するのに役立ちます。
まとめ
電車や人混みでのパニック発作は本当に怖いものですが、発作そのものは危険ではなく、「脳の誤作動」による一時的なものです。
- 「これは発作だ」と認識する
- 呼吸を整える
- 身体の感覚に集中する
- 「逃げなくていい」と許可を出す
- 安心アイテムを持ち歩く
この5つの対処法を知っておくだけで、「また発作が起きたらどうしよう」から「もし起きても大丈夫」に変わるための第一歩となり、不安をぐっと和らげることに繋がりやすくなります。
もし発作を繰り返してしまうなら、一人で抱え込まずに精神科,心療内科,メンタルクリニックなどの医療機関に相談するのも大切です。