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うつ病患者におすすめの睡眠法|質の良い睡眠を得るためのアドバイス
カフェイン / デジタルデトックス / 非定型うつ病 / 睡眠障害・不眠症 / うつ病
公開日:2025.03.09更新日:2025.04.15
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質の良い睡眠を得るための、おすすめの方法とは
うつ病の症状に悩む方々にとって、良質な睡眠は非常に重要です。
しかし、うつ病が進行してしまうと、不眠や寝つきの悪さ、早朝に目が覚めるなど、睡眠の質に大きな影響を及ぼすことがあり、睡眠不足が続くと、気分が一層落ち込み、さらに抑うつ症状が悪化してしまうこともあります。
そのため、うつ病の治療において睡眠の質を改善することは、回復への重要なステップとなります。今回は、うつ病患者におすすめの睡眠法を紹介し、質の良い睡眠を得るための具体的なアドバイスをご紹介いたします。
規則正しい睡眠時間を確保する
睡眠のリズムを整えることは、うつ病の症状を改善するために非常に大切です。毎日同じ時間に寝て、同じ時間に起きることで、体内時計が整い、より深い眠りを得やすくなります。週末や休暇中に遅くまで寝ることを避け、平日と同じ睡眠時間を維持することが大切です。
また、寝る時間を固定することは、身体が「寝る準備が整った」と感じるための重要な合図になります。就寝前にリラックスする時間を設けることで、質の高い睡眠が得られやすくなります。
寝る前のリラックス法を取り入れる
寝る前にリラックスできる時間を作ることは、うつ病患者にとって非常に効果的です。ストレスや不安が強いと、寝つきが悪くなりがちです。そのため、就寝前に心を落ち着けるためのルーチンを取り入れることをおすすめします。
例えば、軽いストレッチや深呼吸、瞑想などのリラックス法を試してみましょう。これにより、副交感神経が優位になり、体がリラックス状態に入りやすくなります。温かいハーブティー(カモミールなど)を飲むことも、リラックスを促進するために役立ちます。
スクリーンタイムを減らす
スマートフォンやパソコンの画面から発せられるブルーライトは、睡眠を妨げる原因となります。ブルーライトはメラトニンという睡眠ホルモンの分泌を抑制するため、寝る前にスマートフォンやテレビを使うことは避けるようにしましょう。
少なくとも寝る1時間前からは、スクリーンを使わないように心掛けることをおすすめします。代わりに、読書やリラックスできる音楽を聴くなど、視覚や聴覚を使うリラックス法を試してみてください。
寝室の環境を整える
快適な寝室の環境を作ることは、良質な睡眠を得るためには欠かせません。寝室は静かで暗い場所が理想的です。遮光カーテンを使って外の光を遮ることや、静かな空間を作るために耳栓やホワイトノイズを利用することが有効です。
また、寝具にも注意が必要です。快適なマットレスや枕を使い、温度調整にも気をつけることが大切です。寝室の温度は、あまり暑すぎず、寒すぎない適度な温度を保つようにしましょう。快適な環境が整えば、リラックスして眠りやすくなります。
カフェインやアルコールの摂取に注意する
カフェインやアルコールは、うつ病治療中に気をつけたい食物や飲み物です。カフェインは覚醒作用があり、寝つきに影響を与える可能性があります。コーヒーや紅茶、エナジードリンクなどのカフェインを含む飲み物は、午後遅くや夜間の摂取を避けることをおすすめします。
また、アルコールは一見リラックスできるように感じますが、睡眠の質を低下させる原因となります。アルコールが体内で分解される過程で、眠りが浅くなるため、就寝前のアルコール摂取は避けましょう。
軽い運動を日常に取り入れる
日中に軽い運動をすることは、睡眠の質を向上させるために非常に有効です。特にウォーキングやヨガ、ストレッチなど、心身をリラックスさせる運動は、寝つきを良くする効果があります。
ただし、寝る直前に激しい運動を行うと、逆に体が興奮して眠れなくなってしまうことがあるため、運動は寝る数時間前までに済ませるようにしましょう。日中に活動することで、夜には疲れがしっかりと取れ、深い睡眠が得られるようになります。
必要であれば専門医の相談を
うつ病が進行すると、睡眠障害が深刻化することもあります。もし、自分で改善策を試しても効果が感じられない場合や、睡眠の問題が続く場合は、精神科、心療内科などの医療機関へ相談して、治療や生活へのアドバイスを取り入れることも大切です。
状態によっては、睡眠薬の処方を受けることがあるかもしれませんが、薬の治療と共に、生活習慣の改善を取り入れることが最終的には健康的な睡眠へとつながります。
まとめ
うつ病の治療において、質の良い睡眠を確保することは非常に重要です。規則正しい睡眠時間の確保、寝室環境の改善、リラックス法の実践など、実践的なアプローチを取り入れることで、睡眠の質が向上し、うつ病の症状が改善される可能性があります。
また、カフェインやアルコールの摂取を控え、日中に軽い運動を行うことで、心身がリラックスし、快適な睡眠が得やすくなります。眠れないことが続いている場合は、医療機関に相談することも検討しましょう。質の良い睡眠を手に入れ、心と体をしっかりとケアすることが、うつ病回復への第一歩となります。
野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など
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