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自己肯定感について
自己肯定感 / 心理面・思考
公開日:2025.02.06更新日:2025.09.21
自己肯定感について
自己肯定感とは、自分自身に対する信頼や価値を感じることで、自尊感情や自己効力感とも関連します。自己肯定感が高いと、失敗や困難に直面したときにも前向きな姿勢で挑戦し続ける力が備わりやすい傾向です。今回は、自己肯定感の重要性、子どもの自己肯定感を育てるためのアプローチ、大人の自己肯定感を高めるための取り組みについてお話しします。

自己肯定感はなぜ大切なのか
自己肯定感は、人生の様々な側面でポジティブな影響をもたらすため、次のような理由で非常に重要です。
メンタルヘルスの向上
自己肯定感があると、ストレスや不安に対する耐性が高まります。自分を肯定的にとらえられる人は、失敗や挫折があっても前向きな思考をすることができるため、心の健康を保ちやすくなります。
挑戦意欲と成長を促進
自己肯定感が高い人は、失敗を恐れずに新しいことに挑戦する意欲を持っています。自分を信じることで「挑戦しても大丈夫だ」「学びや成長がある」ととらえられ、積極的な行動がしやすくなるため成長を加速させるでしょう。
人間関係の質を向上
自己肯定感があると、自分を大切にすることで他者を尊重する余裕が生まれ、良好な人間関係を築きやすくなります。対人関係でのトラブルや不安が減り、相手と信頼し合えるような深い関係を育む助けになるでしょう。
幸福感と満足度の向上
自己肯定感がある人は、自己評価が安定しているため、日々の生活においても満足感や幸福感を得やすくなります。他人に依存せず、自分の中にある充実感を持つことで、人生全体への満足度が高まっていくのです。
自己効力感と目標達成力の向上
自己肯定感が高いと、「自分ならできる」「乗り越えられる」という自己効力感が強まり、目標達成に必要な行動力が高まってきます。これにより、長期的な見通しを持って計画を実行できるようになり、成功体験を積み重ねやすくなるのです。
子どもの自己肯定感を育てるには
子どもの自己肯定感を育てるためには、家庭や教育現場での関わりが大きな役割を果たします。ここでは、子どもの自己肯定感を育てるための効果的なアプローチを紹介します。
無条件の愛情と受容
親や周りの大人が子どもをありのまま受け入れて愛情を注ぐことは、自己肯定感を育む基盤になります。子どもが失敗や困難を経験した時も、「あなたの存在自体が大切」と伝えることで、安心感と自分の価値を実感させます。
小さな成功体験の積み重ね
自己肯定感は、達成感や成功体験によって育まれます。小さな目標を設定し、達成する喜びを実感してもらうことが大切です。教育を受ける中でも、各自の能力に合わせて目標を立て、小さな成功を積み重ねる体験が可能な場面が多くあります。
肯定的なフィードバック
子どもが努力した時や成果を出した時には、具体的な言葉で褒めてあげましょう。例えば、「頑張って最後までやり遂げたね」「〇〇するなど工夫してできたね」など、具体的にどこが良かったかを伝えると、子どもは自分の行動や努力の価値を理解しやすくなります。その結果、自己肯定感を高めることにつながるのです。
失敗に対する肯定的な姿勢
子どもが失敗したり間違えたりした際には、責めるのではなく、挑戦したこと自体を評価し、「次はどうしたらもっと良くなるか」を考えさせるとよいでしょう。こうした経験を通して、失敗しても大丈夫だという安心感が得られ、また挑戦してみようという意欲が生まれ、自己肯定感が育っていくです。
自己表現の場を与える
子どもが自分の意見や気持ちを自由に表現できる場を作ることで、自分自身を理解し、肯定的にとらえるようになります。家族で話し合う時間を設け、子どもの意見や感情を尊重することが大切です。
適度な自主性を尊重
子どもに自分で判断させる機会を与え、ある程度の自主性を尊重することで、自己効力感が高まります。例えば、小さな選択を任せたり、達成したい目標を自分で考えさせたりすることが効果的です。

大人の自己肯定感を高めるには
大人の自己肯定感を高めるためには、日常生活や思考習慣を見直し、自分の価値を再認識する取り組みが有効です。ここでは大人の自己肯定感を高めるための具体的な方法を紹介します。
自己理解を深める
大切なことは、自分の強みや得意なことを改めて見つめ直すことです。自分の好きなことや得意な分野についてのリストを作成し、それを日々振り返ることで、自信と自己肯定感が少しずつ高まります。
小さな目標を達成する
大きな目標に挑戦する前に、まずは達成できそうな小さな目標を設定し、完了する喜びを感じることが効果的です。これにより、自分に対する信頼感が徐々に強まり、自信が育まれます。
ポジティブなセルフトークを取り入れる
自分自身に「今日も良くやった」「自分はこのままで良い」と肯定的な言葉をかける習慣を持ちましょう。特に困難な状況で自分を励まし、安心感を与えることで、自己肯定感が安定します。
過去の成功体験を振り返る
過去の成功体験を振り返り、自分が乗り越えてきた経験に目を向けることで、自己肯定感が高まります。写真や日記などを見返し、実際の成果を感じられるといいですね。
他者と比較しない
他人と自分を比較することは、自己肯定感を下げる原因となりがちです。自分の価値は他者と無関係であることを意識し、自分のペースで成長することを大切にすると、安定した自己肯定感が育まれます。
心身のケアを重視する
健康な生活習慣は、自己肯定感に密接に関わります。バランスの良い食事や運動、十分な睡眠を確保することによって気分が安定し、心の余裕が生まれやすくなります。これにより、自己肯定感も自然と高まります。
日々の感謝リストを作る
1日の終わりに、感謝したいことやうまくいったことを3つ挙げることで、日常の充実感を感じやすくなります。この習慣がポジティブな心の状態を保ち、自己肯定感を向上させるのに役立ちます。

まとめ
今回は、自己肯定感の重要性、子どもの自己肯定感を育てるためのアプローチ、大人の自己肯定感を高めるための取り組みについてお話しました。子どもにも大人にとっても自己肯定感を育て高めるためには、自分自身の肯定的な受け止めと成功体験を積むことが大切だといえます。
野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など







