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パニック発作が起こったとき|苦痛から生じる最悪のシナリオとは?

予期不安 / パニック症・パニック障害 / パニック発作

公開日:2025.03.10更新日:2025.03.10

パニック発作が起こったとき|最悪のシナリオとは?

パニック発作が起こると、息苦しさや動悸、めまいなどの症状が突然襲い、「このまま死んでしまうのではないか?」「気を失ってしまうのでは?」と強い恐怖を感じることがあります。多くの人が「最悪のシナリオ」を思い浮かべ、不安がさらに増幅してしまうのです。

しかし、実際にそうした「最悪のシナリオ」は本当に起こるのでしょうか?ときにパニック症ではこのような恐怖がどんどん大きくなることで、より強いパニック発作を起こしやすくなると考えられています。本記事では、パニック発作に対する誤解を解き、冷静に対処するための考え方をお伝えします。

パニック発作で感じる「最悪のシナリオ」

パニック発作を経験したことのある人なら、一度は以下のような考えが頭をよぎったことがあるかもしれません。

  • 「このまま呼吸ができなくなって死んでしまうのでは?」
  • 「心臓が止まってしまうかもしれない…」
  • 「意識を失って倒れたらどうしよう?」
  • 「この場で発作を起こしたら周りの人に迷惑をかけてしまう!」
  • 「もう一生、普通の生活ができなくなるのでは?」

こうした恐怖は、パニック発作を経験する人の多くが共通して抱えるものです。しかし、これらの「最悪のシナリオ」は身体面とこころの面にどのように影響を及ぼすのでしょうか??

実際に最悪のシナリオは起こるのか?

✅ 「息ができなくなって死ぬ」と感じるのはなぜ?

パニック発作の際に「息が詰まる」「呼吸が苦しい」と強く感じることはありますが、実際には酸素不足に伴う身体反応ではなく、自律神経のバランスの崩れからくる症状であると言え、とても身体的には苦痛を伴います。

またさらに、過呼吸になることで、酸素ではなく、体内の二酸化炭素が吐き出されて減ってしまうことで、めまいや手足のしびれが起こってしまい、よりパニック発作の症状を強めてしまうという悪循環が起きてしまいます。

【まとめ】パニック発作で感じる息苦しさとは

パニック発作で感じる苦しさは、酸素低下ではないが、自律神経(交感神経/副交感神経)と二酸化炭素のバランスが崩れて強い症状がでてしまうという特徴があります。

息苦しさを感じたときは、「息ができなくなるわけではない」「呼吸をゆっくり…」と冷静に考え、ゆっくりとした呼吸を意識することも大切です。

✅ 「心臓が止まるのでは?」という恐怖はなぜ?

パニック発作では心臓がドキドキと激しく鼓動し、「心臓発作ではないか?」と不安になることがあります。

パニック発作は生命を脅かすかもしれないという危機的な状況にさらされているかもしれないと、交感神経の過剰な反応によって、心拍数が上がってしまったり、胸部に不快感を感じてしまうことがあります。そして交感神経の高ぶりをきっかけとしたこれらの症状はピークを越えると、次第に落ち着き始めるという一時的な症状でもあります。

【まとめ】パニック発作で感じる心臓の不快感とは

パニック発作に伴う、心臓のドキドキや不快感は、自律神経の過剰な高ぶりに影響していることが多く、次第に落ち着く症状でもあります。

心拍が速くなったときは、「これは一時的な反応で、やがて落ち着く」と意識的に考えてみることも、症状の緩和に繋がることがあります。

✅ 「気を失うかもしれない」という不安は?

パニック発作では「このまま意識を失うのでは?」と感じることがあります。例えば、気を失うのは血圧が急激に低下したときなど原因は様々ですが、パニック発作では交感神経の過剰な反応のために、逆に血圧が上がったりすることで、意識やめまいなど感覚の異常を感じることが多くなります。

【まとめ】パニック発作で生じる、気を失う感覚とは

パニック発作では、交感神経の過剰な反応のために、血圧の上昇や高ぶりを感じて、感覚の異常を伴いやすい(血圧低下などの失神とは様相が異なる)

めまいを感じても、「気を失うことはない」と自分に言い聞かせ、座ってゆっくり深呼吸をしましょう。

✅ 「このまま一生パニック発作に苦しむのでは?」という心配は?

パニック発作を何度も経験すると、「もう普通の生活はできないのでは?」と絶望的な気持ちになることがあります。また、発作が起きたらどうしよう、一人でいる時や外出先で発作が起きたらどうしよう、という予期不安が高まってしまうことがあります。しかし、パニック障害は適切な治療や対処法を取り入れることで改善することが知られています。

【まとめ】このまま、パニック発作に苦しんでしまうのではないかと心配になる理由は

パニック発作は苦痛の強い身体症状を呈するため、また起きてしまったらどうしよう…一人でいる時に起きてしまったら耐えられそうにない…といった予期不安という不安の悪循環が起きてしまうことが特徴です。

パニック発作はコントロールできるようになる症状であること、パニック発作の症状の特徴を知り、「この状態はずっと続くわけではない」「パニック発作は克服できるもの」と前向きに捉えることは、回復への第一歩です。

パニック発作が起こったときの対処法

パニック発作の症状についての理解と、発作が起こった際の対処法を身につけておくことが大切です。

✅ ① 呼吸を整える

前述のように、過呼吸がしびれなどの症状をより悪化させることがあるため、「4-7-8呼吸法」などを実践して呼吸をゆっくり整えましょう。

✅ ② 「最悪のシナリオは起こらない」と自分に言い聞かせる

発作が起きると、頭の中でネガティブな思考が膨らみがちです。しかし、「これはパニック発作だ」「何度も経験したけど、必ず治まる」と自分に言い聞かせることで、落ち着きを取り戻しやすくなります。

✅ ③ 環境を変えて気を紛らわす

発作が起こったら、少し歩いたり、冷たい水を飲んだり、手を洗ったりして意識を別のことに向けてみましょう。

まとめ「パニック発作に伴って感じうる、最悪のシナリオとは」

パニック発作が起こると、「このまま死ぬのでは?」「気を失うのでは?」と恐怖に襲われがちですが、実際にはそうした「最悪のシナリオ」をひも解くと、自律神経の高ぶりや影響に起因するものや、身体面の苦痛からくる不安の増強が大きな影響を及ぼしています。

また更に「パニック発作は怖いものではなく、一時的なもの」と理解し、適切な対処法を身につけることで、不安を軽減し、発作のコントロールができるようになります。焦らず、少しずつ対処法を実践していきましょう。しかし、自己判断しすぎたり、我慢しすぎたりしすぎず、パニック症は医療機関などの治療と併用しなながら取り組むこともとても大切です。

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