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突然の動悸や息苦しさ…これってパニック症?
予期不安 / パニック症・パニック障害 / パニック発作
公開日:2025.03.09更新日:2025.03.09
突然の動悸や息苦しさ…
ある日突然、強い動悸や息苦しさに襲われ、「このまま倒れるのではないか」と感じたことはありませんか?特に理由もなく発作のような症状が現れ、強い不安に駆られる…。もしかすると、それは「パニック症(パニック障害)」かもしれません。
パニック症とは?
パニック症とは、突然の激しい不安や恐怖を伴う「パニック発作」を繰り返し経験する病気です。パニック発作は特定の状況に限らず、日常のささいな場面でも突然起こることがあります。一度発作を経験すると、「また発作が起こるのでは?」という不安(予期不安)を感じるようになり、それが日常生活に大きな影響を与えることもあります。
パニック発作の主な症状
パニック発作が起こると、以下のような症状が短時間のうちに現れます。
- 激しい動悸や心拍の上昇
- 息苦しさや過呼吸
- 胸の痛みや不快感
- めまいやふらつき
- 手足の震えやしびれ
- 発汗や寒気、ほてり
- 強い不安感や「死んでしまうかも」という恐怖
- 現実感がなくなる、または自分が自分でないような感覚
こうした症状は通常、数分から10分程度続き、その後自然に収まることが多いですが、発作中は非常に強い恐怖を感じるため、「このままでは命に関わるのでは」と思ってしまうこともあります。
パニック症の原因とは?
パニック症の原因は一つではなく、さまざまな要因が絡み合って発症すると考えられています。
脳の働きの異常
パニック症の発作は、脳内の不安や恐怖をコントロールする部分が過敏に反応することで引き起こされると考えられています。
ストレスや過労
長期間のストレスや疲労の蓄積が、パニック発作を誘発することがあります。
遺伝的要因
家族にパニック症の人がいる場合、発症リスクが高まると言われています。
生活習慣の影響
カフェインやアルコールの過剰摂取、喫煙、不規則な睡眠なども発作のきっかけになることがあります。
パニック症の治療と対処法
パニック症は適切な治療を受けることで改善が期待できる病気です。主な治療方法には以下のようなものがあります。
1. 薬物療法
- 抗うつ薬(SSRIなど)➡パニック発作を抑え、不安を軽減する効果があります。
- 抗不安薬➡発作時の強い不安を和らげるために使われますが、依存のリスクがあるため慎重に使用されます。
2. 精神療法・認知行動療法
- 病気の特徴と対処法を理解する(発作の持続時間、頓服の使い方など)
- 不安に対する感情の強さ、傾向や特徴について記録をしたり、その傾向を元に行動を考えてみる
- 不安に対する考え方を変えるトレーニングを行い、「発作が起こっても命に関わるものではない」と理解し、少しずつ恐怖を克服する方法です。
- 暴露療法➡発作が起こりやすい状況に少しずつ慣れていくことで、恐怖を和らげていきます。
3. 生活習慣の改善
- 規則正しい睡眠をとる➡睡眠不足は不安を増幅させるため、できるだけ一定のリズムで眠ることが大切です。
- カフェインやアルコールを控える➡興奮作用のあるカフェインやアルコールは、発作を誘発することがあるため、できるだけ控えるのがベターです。
- 軽い運動を取り入れる➡ウォーキングやストレッチなどの運動は、ストレスを和らげる効果があります。
もしパニック発作が起こったら?
パニック発作が起きたときには、次のような方法で対処してみてください。
- ゆっくり呼吸を整える 発作時には過呼吸になりやすいため、「4秒かけて息を吸い、8秒かけて吐く」など、意識的にゆっくり呼吸するようにしましょう。
- 「これは発作だから大丈夫」と自分に言い聞かせる 「また発作が来た」と焦ると、さらに症状が悪化しやすくなります。「これは一時的なもので、必ずおさまる」と自分に言い聞かせることが大切です。
- 安心できる環境を作る 静かな場所に移動し、水を飲んだり、リラックスできる音楽を聴いたりすると落ち着きやすくなります。
まとめ
パニック症は決して珍しいものではなく、多くの人が経験する可能性のある病気です、恥ずかしいと思って隠してしまうのではなく、病状や発作に対する適切なケアが大切です。
もし、「もしかしてパニック症かも?」と感じたら、一人で抱え込まずに、専門の医師に相談してみましょう。適切な治療とサポートを受けることで、症状をコントロールし、安心して生活できるようになります。