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マインドフルネスの効果と実践方法

マインドフルネス / 心理面・思考

公開日:2025.04.24更新日:2025.07.12

マインドフルネスってなに?

現在、私たちは常に情報に触れ、何かに追われるように生活しています。スマホを開けば次々と流れてくるニュースやSNS、仕事の締め切り、人間関係の悩みなど、知らず知らずのうちにストレスをため込み、心が疲れていませんか?

そんなときに試したいのが「マインドフルネス」です。忙しい毎日に心の余白を作ってみませんか?この記事では、マインドフルネスの具体的な方法や効果について紹介します。忙しい毎日でも簡単に実践できる方法もありますので、ぜひ試してみてください。

マインドフルネスとは、「今、この瞬間」に意識を向け、何の判断をせずにありのままを受け入れる心の状態 のことです。仏教の瞑想をルーツとし、GoogleやApple、スタンフォード大学などでも導入されている科学的に裏付けられたメンタルトレーニングの一つです。

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マインドフルネスの効果

マインドフルネスは、次のように脳や心に多くの良い影響を与えることがわかっています。

ストレスを減らしてリラックスできる

マインドフルネスを行うと、不安や緊張を引き起こす「扁桃体(へんとうたい)」の活動が抑えられ、ストレスが軽減されます。

集中力・記憶力が向上する

注意力や記憶を司る「前頭前野(ぜんとうぜんや)」が活性化し、勉強や仕事のパフォーマンスが向上することが考えられます。

感情をコントロールしやすくなる

怒りや不安を感じても冷静に対応できるようになり、人間関係が良くなっていくでしょう。

睡眠の質が向上する

夜、頭がスッキリしてリラックスできるため、深い睡眠をとりやすくなります。

幸福感がアップする

「今、ここ」に集中することで、未来の不安や過去の後悔にとらわれず、心が穏やかになることができます。

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マインドフルネスの実践方法

マインドフルネスの呼吸法、食べるマインドフルネス、歩くマインドフルネス、ボディスキャン瞑想、音に集中するマインドフルネスについて、具体的な方法について解説します。

マインドフルネス呼吸法(基本)

呼吸に意識を向けるだけです。いつでもどこでもできる基本の方法です。ストレス軽減、集中力向上、リラックスが期待できます。

方法

  • 姿勢を整える(椅子に座るorあぐらをかく)
  • 目を閉じる(または半眼)
  • 鼻からゆっくり息を吸い、口からゆっくり吐く
  • 「息を吸っている」「息を吐いている」と心の中で言う
  • 雑念が湧いてきてもOK!気づいたら呼吸に意識を戻す
  • 時間は、1〜5分ほど(慣れたら10分以上もOK)

ポイント

  • 呼吸の長さを数える(例:「1, 2, 3…」とカウントする)と意識しやすい
  • 背筋を伸ばし、リラックスした状態で行う
  • 「うまくできない」と思わず、気楽に続ける

食べるマインドフルネス(マインドフル・イーティング)

食事を五感でじっくり味わうことで、満足感が高まり、ストレスの軽減にもつながるでしょう。食べ過ぎ防止、集中力UPなどの効果が期待できます。

方法

  • 食べ物をじっくり観察する(色・形・質感に意識を向ける)
  • 香りを感じる(目を閉じて深呼吸し、香りを味わう)
  • 一口食べ、口の中の感覚をじっくり味わう(歯ごたえ・温度・味の変化を感じる)
  • ゆっくり噛み、味の違いを感じる
  • 食べることに集中し、スマホやテレビを見ない

ポイント

  • 「ながら食べ」をやめ、一口一口を大切に
  • 「食べる」ことだけに意識を集中する
  • ダイエットや暴飲暴食防止にも効果がある

歩くマインドフルネス(マインドフル・ウォーキング)

歩くことに意識を向けるだけで、ストレス軽減&集中力UP、ストレス解消、リラックス、気分転換に効果的です。

方法

  • ゆっくり歩く(普段の半分くらいの速度が理想)
  • 足の裏の感覚を意識する(地面に触れる感覚を感じる)
  • 呼吸に意識を向ける(吸う・吐くの流れを感じる)
  • 周りの景色・音・風の感触に気づく
  • 「今、ここにいる」という感覚を味わう

ポイント

  • 通勤や散歩中に取り入れるとよい
  • スマホを見ず、「歩くこと」だけに集中する
  • 余裕があれば「足が地面に触れる感覚」を一歩ずつ意識

ボディスキャン瞑想(体の感覚に集中する)

体の感覚をじっくり感じることで、緊張をほぐし、リラックス効果を高めます。ストレス解消、リラックス、睡眠の質向上について効果が期待できます。

方法

  • 楽な姿勢で横になる or 椅子に座る
  • 目を閉じ、深呼吸を数回する
  • 頭→肩→腕→背中→腰→足の順に、体の感覚に意識を向ける
  • 「どこが緊張しているか」「どこに力が入っているか」を観察する
  • 緊張を感じたら、息を吐くときにリラックスさせる

ポイント

  • 夜寝る前にやると、深い睡眠につながる
  • 「今、この瞬間の体の感覚」に集中するだけでOK
  •  雑念が浮かんでも気にせず、呼吸に意識を戻す

音に集中するマインドフルネス(サウンド・マインドフルネス)

周りの音に耳を澄ますだけ!通勤中や仕事の合間におすすめです。雑念を減らす、集中力UP、リラックスに関して効果が期待できるでしょう。

方法

    目を閉じて、静かに座る

  • 周りの音に意識を向ける(車の音・鳥のさえずり・風の音など)
  • 「聞こえる音」にただ集中する(判断しない)

雑念が湧いたら、また音に意識を戻す

ポイント

  • 「良い音・悪い音」と評価せず、ただ音を聞くことに集中する
  • 仕事の合間や移動中にもできる

マインドフルネスを続けるコツ

マインドフルネスを続けるコツは、次の3つです。まずは続けることを意識してみてくださいね。

  • 毎日少しずつ実践(3分からOK!)
  • 「雑念が出るのは当たり前」と思う(気づいたら呼吸に戻せばOK)
  • 「今、この瞬間」を大切にする習慣を作る

まとめ

マインドフルネスの具体的な方法や効果について紹介しました。マインドフルネスは、難しい技術ではなく、日々の生活の中で取り入れやすい心のトレーニングです。忙しい日常の中でも、少しの時間を使って「今、この瞬間」に意識を向けることで、心の余裕が生まれ、ストレスが軽減され、集中力や感情のコントロールがしやすくなります。マインドフルネスを生活に取り入れて、心も体も健康に保ち、毎日をもっと充実させていきましょう。

【参考文献】

厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』「瞑想」

https://www.ejim.ncgg.go.jp/pro/overseas/c02/07.html

名古屋駅の心療内科,精神科,メンタルクリニック

野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など