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昔の「うつ病」のイメージは?
非定型うつ病 / うつ病
公開日:2025.03.02更新日:2025.03.02
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昔の「うつ病」のイメージは?
現在ではうつ病である、「大うつ病(Major Depressive Disorder, MDD)」は医学的にも認知されており、脳の機能や環境要因が影響する病気として理解されています。しかし、昔はうつ病に対する認識が大きく異なっていました。
貴族や芸術家の「憂鬱な気質」とされていた
西洋では、古代ギリシャの医師ヒポクラテスが「メランコリア(黒胆汁)」という概念を提唱し、うつ状態を説明していました。中世ヨーロッパでは、うつは「知的な人や芸術家が持つ特有の気質」と見なされ、苦悩する詩人や哲学者の象徴とされることもありました。
「ヒステリー」や「神経症」と混同されていた
19世紀から20世紀初頭にかけて、精神疾患はあまり細かく分類されておらず、特に女性のうつ症状は「ヒステリー」や「神経衰弱」とされることが多かったです。治療法も適切なものが少なく、電気ショック療法や温泉療法などが試されていました。
入院治療や隔離の対象だった
精神疾患全般に対する理解が低かったため、重度のうつ病患者は精神病院に隔離されることもありました。20世紀前半までは、精神医療の発展が不十分で、患者の苦しみは軽視されがちでした。
精神的な弱さや怠けと誤解されていた
つい最近の社会でも、「気の持ちよう」「甘え」「努力不足」といったイメージが強く、「やる気を出せば治る」と誤解されがちでした。特に、日本では「がんばることが美徳」とされていたため、うつ病の人も自分の状態を隠しがちでした。
現代との違い
今では、うつ病は脳の働きや神経伝達物質のバランスに関係する病気として科学的に理解されつつあり、適切な治療(薬物療法・精神療法・認知行動療法など)が行われています。社会的な認識も徐々に変化し、「休むことの重要性」や「支援の必要性」が広く受け入れられるようになっています。
昔は「怠け」や「性格の問題」「特質」とされていたものが、今では医学的な病気として認められている点が大きな違いですね。