地下鉄名古屋駅 徒歩1分
大人のためのメンタルクリニック
クリニックブログ
Hidamari Kokoro Clinic
ヒステリー球(咽喉頭異常感症)について
認知行動療法 / ヒステリー球(咽喉頭異常感症) / 非定型うつ病 / 心理面・思考 / 自律神経失調症 / うつ病 / 不安症・不安障害
公開日:2025.02.28更新日:2025.03.03
ヒステリー球(咽喉頭異常感症)とは?
ヒステリー球(咽喉頭異常感症)は、喉から胸にかけての違和感や異物感、圧迫感などが生じる症状で、ストレスや心理的な要因が関与していると考えられています。
「喉に何か詰まっているように感じる」と訴える人が多いため、「ヒステリー球」という名称で呼ばれることもあります。体に異変があると感じると、多くの人は身体的な原因を疑いますが、実際にはストレスや自律神経の乱れが影響し、症状として現れることも少なくありません。
この症状は、自律神経失調症、更年期障害、軽度のうつ病、不安障害などと関連して発症することがあります。一方で、喉に腫瘍や炎症がある場合も考えられるため、特に中高年の方は、まず耳鼻咽喉科や内科で検査を受けることが推奨されます。
ヒステリー球の種類
咽喉頭異常感症には大きく分けて2つのタイプがあります。
- 心因性のもの(ヒステリー球・真性咽喉頭異常感症)
ストレスや精神的な負担によって発症し、身体的な異常が見つからないタイプ
- 身体的な要因によるもの(症候性咽喉頭異常感症)
喉や消化器系に異常があり、違和感を引き起こしているケース
後者には、腫瘍や炎症、逆流性食道炎、甲状腺の異常などが含まれます。そのため、まずは耳鼻咽喉科や内科で検査を受け、身体的な原因がないか確認することが大切です。
ヒステリー球の症状
ヒステリー球の主な症状には以下のようなものがあります。
- 喉に何かが詰まっているように感じる
- 何かが引っかかっている感覚がある
- 喉の圧迫感や締め付け感がある
- 飲み込みにくい感じがする
- 胸のつかえ感がある
- 喉が腫れているように感じる
これらの症状が続く場合、検査を受けても身体的な異常が見つからないこと、症状が日常生活に支障を及ぼしていること、呼吸や食事の機能には影響がないことが診断のポイントとなります。
ヒステリー球の原因
身体的な異常がない場合、ヒステリー球の発症には以下のような心理的・環境的要因が関わっていることが多いです。
- 精神的なストレスやプレッシャー
- 過労や睡眠不足
- 不安や緊張の高まり
- 抑圧された感情や無意識の葛藤
- 生活環境の急激な変化
ストレスや不安が高まると交感神経が優位になり、喉の筋肉が緊張することで症状が現れると考えられています。また、唾液の分泌が減少し、喉の乾燥感や異物感を強めることもあります。
ヒステリー球の治療方法
ヒステリー球の治療には、症状に応じた薬物療法やストレス管理が有効です。
1. 薬物療法
- 抗うつ剤・抗不安薬(ストレスや不安の軽減)
- 漢方薬(半夏厚朴湯などが一般的)
- 睡眠薬(睡眠不足の改善)
2. 生活習慣の改善
- 規則正しい生活リズムを整える
- リラックスする時間を確保する
- 適度な運動を取り入れる
- 深呼吸やストレッチなどで自律神経を整える
3. 精神/心理的アプローチ
- 認知行動療法(思考のクセを修正し、ストレスの受け止め方を変える)
- 精神療法・心理療法(心理的な負担を軽減)
- マインドフルネス(現在に集中し、過剰な不安を和らげる)
ヒステリー球は、適切な治療を受けることで症状が改善するケースが多いため、辛いと感じたら無理をせず、心療内科や精神科の受診を検討することが大切です。
まとめ
ヒステリー球は、心理的な要因や自律神経の乱れによって引き起こされる症状ですが、喉の異常感が長引く場合には、まず身体的な検査を受けることが重要です。身体に異常が見つからなかった場合は、ストレス管理や心理的アプローチを取り入れながら、症状の改善を目指しましょう。
症状が日常生活に支障をきたす場合には無理せず、医療機関へ相談し、適切な治療を受けることをおすすめします。