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うつ病|休職中の過ごし方、生活リズムを整える
生活習慣 / うつ病
公開日:2024.09.06更新日:2025.01.29
うつ病の休職期間について
うつ病で長期間休職するとなると、どうやって過ごしたらよいか分からないという患者さんは多いです。また、休み過ぎて生活リズムを崩してしまったという悩みもよく聞くところです。
まずは、主治医の指示通りに抗うつ薬を服用して、しっかり眠ることが、うつ病を治すうえで大切なことです。そのうえで徐々に生活リズムを整えていくと、スムーズな復職につながると思います。
この記事では、休職中の過ごし方や生活リズムを整えることについて説明します。
休職中の過ごし方
休職中の過ごし方の基本は、主治医の指示に従って服薬して、十分休養することです。体調や気分が良くなってきたら、主治医との相談のうえで復職に向けてできることを少しずつ始めていきます。
十分に休養を取って、「何かしてみようかな」と意欲の回復が見られたら、以下を踏まえた行動をしてみると良いでしょう。
- 生活リズムを整える
- うつ病や治療についての正しい知識を得る
- 自分の状態を理解して体調管理できるようにする
おすすめしたい具体的な行動としては、同じ時間帯に食事や活動を行ったり睡眠を取ったりすることです。
人間の体には約24時間のリズムがあります。このリズムがあるから、朝は自然と目が覚めて、日中は活動的になり、夜になると眠くなります。このリズムが崩れると、心身の不調を引き起こすことになります。逆に考えると、同じ時間帯に同じような行動をすることで良いリズムを作れれば、心身共に良い状態を維持させることがしやすくなります。
自分で意図して動かなくても、同じ時間帯になると自然に目が覚めたり、お腹が空いたりするようになったら、リズムが整っていると言ってよいでしょう。
またいつ眠ったか、食事したか、どんな気分・体調だったかを記録しておくと、自分のリズムがどうなっているか確認できます。この記録は、自分の状態や症状の管理することや、主治医へ説明することなどにも役立つでしょう。
記録を気分・体調・行動などの観点でよく見つめなおしてみると、症状が悪くなる兆候を見いだせることもあります。症状が悪くなる兆候が見つかれば、今後は調子を崩さないよう自己コントロールすることもできます。記録を付けるのに慣れたら、体調変化や行動傾向なども加えていくとよいでしょう。
ある程度回復してからの休職中の過ごし方
うつ病がある程度回復して体調が許すのなら、日中に外出してみるのもよいと思われます。散歩する、図書館に行く、親しい友人や親せきに会うといった負荷の軽い活動をすることで、自分の回復具合を測ることもできます。特に決まった時間帯に図書館に行って読書などをすることは、復職に向けたトレーニングにもつながるのでおすすめです。
とはいえ、一日中図書館にいてもダラダラしてしまっていることもあります。そういった場合、「自身の仕事と似たような生活リズムを整える」という目的が果たせる場所を主治医や精神保健福祉士へ相談をしてみることも大切です。
休職中にやってはいけないこと
休職中にしてはいけないことは、うつ病の治療やうつ病からの回復の妨げとなることです。具体的には以下が挙げられます。
- 主治医の指示に反した行動(例)服薬を守らない
- 自分の状態を主治医に正しく伝えない
- 心身に負荷の高い行為や不健康な行動
また、以下の行動も控えたほうがよいでしょう。
①飲酒
飲酒することで、うつ病の症状が不安定になるためです。他にも、抗うつ薬の効果に影響する、睡眠が浅くなるという問題が飲酒にはあります。
②友人との付き合いや旅行
友人と会ったり、どこかに行くことの全てがやってはいけない行動というわけではありません。体調が良いのであれば、無理のない範囲での気分転換であれば問題はありません。
しかし、楽しいことであっても少なからず負荷がかかります。特に、うつ病の治療期間中は健康なときと比べてエネルギーの少なくなっている状態だから、なおさら疲れやすいです。そのことを意識したうえでの付き合いにしておいたほうがよいでしょう。
また休職中ということは、他の従業員に自分の仕事が割り当てられていることになります。そのなかで旅行等に行ったことを万が一にも知られてしまった場合、上司や同僚などに悪い印象を与えてしまうかもしれません。うつ病で会社を休んでいることを念頭においたうえでの、気分転換という考慮は大切かもしれません。
③買い物依存やギャンブル依存
どうしても買い物やギャンブルなどの浪費活動を止められない場合も、うつ病の病状を不安定にさせてしまうことがあります。また逆に、うつ病あるいはうつ症状であるからこそ、辛さに無理をしてしまったり反動で買い物やギャンブルに走ってしまうこともあるので注意が必要です。