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うつ病の治療期間はどのくらい?+再発リスク
お薬 / うつ病
公開日:2024.09.06更新日:2025.02.02
うつ病の療養について
一般的に病気の療養をするとなれば、それなりに長い期間休職しなければなりません。とはいえ、休職できる期間には期限があり、それを超えてしまうと失職してしまう恐れがあります。あらかじめ主治医と治療期間について相談していれば、先の見通しが立つため、安心して療養することができるでしょう。
この記事では、うつ病の治療期間や再発リスクなどついて説明します。
うつ病の治療期間
うつ病の治療期間は患者さんの重症度や症状などによって異なります。適切な治療を受けて、かつ十分に静養できたとしたら、早ければ三ヶ月ぐらいで回復することもあります。
仕事や家庭などの様々な事情から、早く職場に戻らなければならないこともあるでしょう。しかしきちんと回復して復職しなければ、うつ病が再発してしまう恐れがあります。詳細は後ほど説明しますが、うつ病はとても再発しやすい病気です。
しかも、再発を繰り返すほど、次の再発のリスクが高まります。仮に休職期間を短くしたとしても、再発してしまったら結果として自宅療養期間がむしろ伸びてしまいます。うつ病の初期こそ、自分のきちんと回復することが、自分にとってメリットがあると思い、まずはしっかり療養しましょう。
とはいえ、休職期限が非常に迫っており、治療に必要な期間休職すると失職してしまうのではないか復帰できるのだろうか等々もあると思います。こういった場合、病状が悪いまま期限までに復職すること、あるいは、復帰できる程度までうつ病を治してから就業する事が、長期的にもどちらがメリットが多いのか、判断しなければなりません。ただ、特にうつ病が治りきっていないときは、焦りからうっかりと視野が狭くなってしまい、より良い判断をできないこともあります。
病状が悪い時こそ、自分だけで判断しすぎず、主治医や家族や会社ともしっかり話し合って決めたほうがよいこともあるのです。
うつ病の治療・復職計画
治療計画は病状に応じて主治医と相談しながら、決めることも大切です。ですが、治療の最初のうちは静養に専念するのが大事で、治療の最初から先々の事をあれこれ考えたり計画することは適切ではありません。あくまでも、自分の病状に応じた目先の計画を中心にまずは計画しながら、治療が進んで、気分の落ち込みがなくなり、家の中であればある程度普通に生活できるようになったら、復職するためのリハビリも追々考えていきましょう。
それというのも、うつ病の療養により相当に体力は落ちているからです。また静養時期での回復は気分の落ち込みがなくなったり、元々好きだった本や音楽などを楽しめたりする程度です。
そして、病前と同じペースでしっかり働けるようになる体力や生活リズムづくりというのは、勝手に急に整うものではないからです。
そもそも、通勤自体も相当なエネルギーを使います。うつ病から回復したばかりの状態では車を注意深く運転したり、朝の満員電車に乗ったりするだけで、エネルギーを使い果たす患者さんもたくさんいます。そのため、職場復帰前に通勤や勤務のリハーサルを行っておくと安心できます。かなり回復したら図書館に行って本を読むなど、少しずつ体力・気力を増やしましょう。
また復職直後はこれまで休職していた負い目などから、つい仕事を頑張りすぎてしまうかもしれません。ただ無理をしてしまうと、うつ病を再発してしまう恐れがあります。仕事量は少しずつ増やすことを心がけたり、周りからも配慮をしてもらえると、無理なく復帰できると思います。
もし復帰した職場によっては、産業医・産業看護職が配属されている会社もあります。復帰後の社内での労働環境などについて上司だけではなく、そのような専門職に仲介に入ってもらうのも復職のひとつの手段だと思います。会社によっては復職プログラムとして時短勤務で最初は復職してもらうこともできます。復職のリハビリをするときには会社制度の確認もしておくことも大切です。
うつ病の再発リスク
薬物療法の発展により、副作用を考慮したお薬も複数種類になり、うつ病は比較的治りやすくなりました。しかし、もともとうつ病は再発率が60%と高い病気です。しかも、再発を繰り返すほど次の再発リスクが高くなります。1回うつ病にかかった人が再発する確率は60%、次に再発する確率は70%、さらに再発する確率は90%とどんどん高くなってしまう傾向があります。一生のスパンで見ると、海外のデータですが90%ほどの方がうつ病を再発するという報告もあります。
つまりは、うつ病の治療が終わっても再発予防に努めることが大事です。うつ症状が良くなっても必要な期間は薬の服用を続けたり、日頃から自身の状態に注意しておくなど、再発予防のための取り組みが大切になります。
うつ病はどんなふうに再発するのか
うつ病が再発するとき、多くの場合はその患者さんに最初に見られた症状が現れることが多いとされています。
とはいえ再発したとしても、早く対処すれば、休職を必要とするほど症状が悪化しているとは限りません。また早い段階で再発に気づき、主治医に相談して適切な薬物療法を開始したり、職場の上司や人事に相談して環境調整を早めに行ったりすれば、休職せずに働き続けながら、治療を併用できることも多いです。