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うつ病治療を支える医療支援制度とは?負担を軽減するためにできること
非定型うつ病 / 生活習慣 / うつ病
公開日:2025.02.19更新日:2025.03.02
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うつ病治療を支える医療支援制度とは?
うつ病になると、働くことが難しくなったり、医療費がかかったりして、経済的な負担が増えることがあります。またお金の問題は心の大きな負担にもつながります
そして、うつ病の治療においては、医療機関への通院や薬の処方などが必要になり、長期の治療が必要になることも多く、経済的な負担が大きくなるケースもあります。そのため、金銭的な不安を減らし、安心して治療を続けるために、活用できる公的支援制度を知っておくことが大切です。
しかしながら療養で使える医療制度などを自分で検索をしたり、窓口に問い合わせをしたりすることすら、不調のために負担を大きく感じやすいという点もあります。今回は、うつ病の治療中に使える支援制度について詳しく解説します。
自立支援医療制度(精神通院医療)
精神科や心療内科に継続的に通院する場合、「自立支援医療制度」を利用すると、自己負担額が軽減されます。通常、健康保険では医療費の3割を自己負担しますが、この制度を利用すると1割負担に軽減されます。対象となるのは、うつ病や双極性障害、統合失調症などで継続的な治療が必要な方です。
申請方法
- 通院している医療機関で医師による診断書を記入してもらう
- 市区町村の福祉課や保健所に申請する
認定されると、1年間有効で更新も可能です。収入によってはさらに負担が軽減されるケースもあります。
傷病手当金(働けなくなったときの補助)
会社員や公務員で健康保険に加入している人は、病気やケガで働けなくなった際に「傷病手当金」を受け取ることができるばあいがあります。これは勤務期間等にもよりますが、給料の約3分の2に相当する額を、最長1年6か月間受け取れる制度です。
受給の条件
- 連続して4日以上、仕事を休んでいる
- 会社から給与の支払いを受けていない(または減額されている)
- 医師が「仕事をするのが困難」と診断している
加入している保険や雇用形態によっては、使用ができない場合もあるので注意が必要です
申請方法
- 会社の健康保険担当者に申請書をもらう
- 医師に診断書を書いてもらう
- 会社と健康保険組合へ提出する
うつ病の治療には十分な休養が必要なため、傷病手当金を活用すれることで、治療に専念しやすくなります。
精神障害者保健福祉手帳(障害者手帳)
うつ病が長引き、日常生活や社会生活に大きな支障をきたしている場合、「精神障害者保健福祉手帳」を取得することで、さまざまな支援を受けられることがあります。たとえば、税金の軽減、公共交通機関の割引、就労支援などのサポートがあります。
申請方法
- 通院している医療機関へ相談し、精神科医に診断書を記入してもらう
- 市区町村の障害福祉課に申請する
- 認定されると、1級~3級の手帳が交付される
この手帳を持っていると、公共料金の減免や就労支援サービスの利用が可能になるため、長期的な治療を続けるうえで助けになります。
生活保護(経済的に困窮している場合)
仕事ができず収入が途絶えてしまい、生活が困難になった場合は、生活保護を受けることも検討できます。これは、一定の基準を満たすと、生活費や医療費を国が支援してくれる制度でもあります。
申請方法
- 市区町村の福祉事務所で相談
- 生活状況や収入状況を審査
- 認定されると生活費や医療費の支援を受けられる
金銭的な悩みは心の調子にも影響を及ぼしてしまいます。生活が厳しいと感じたら、一人で抱え込まず、福祉の窓口で相談してみましょう。
まとめ
うつ病の治療を続けるためには、精神的な負担だけでなく、経済的な負担も軽減することが重要です。自立支援医療制度や傷病手当金、精神障害者保健福祉手帳など、活用できる公的支援制度を知り、無理のない範囲で治療を継続していきましょう。
焦らず、できることから少しずつ進めていくことが大切です、困ったときは、医療機関のソーシャルワーカーや役所の窓口に相談することもご検討ください。