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うつ病と創作活動|絵や音楽が心を癒す理由
自己肯定感 / 非定型うつ病 / 心理面・思考 / うつ病
公開日:2025.03.03更新日:2025.03.03
絵や音楽が心に与える影響とは
うつ病に苦しむ人にとって、日々の生活は重くのしかかるものです。しかし、そんな中でも「創作活動」が心の支えとなることがあります。
【絵を描く、音楽を奏でる、詩を書く】こうした創作活動は、うつの症状を和らげるだけでなく、自分自身と向き合う大切な時間をもたらしてくれます。本記事では、創作活動がうつ病に与える影響について解説します。
なぜ創作活動はうつ病に良いのか?
① 感情の発散と整理ができる
うつ病になると、感情を言葉にするのが難しくなることがあります。「何がつらいのか分からない」「言葉にしようとすると余計につらくなる」そのような状態では、内に溜め込むしかありません。
しかし、絵を描いたり音楽を奏でたりすると、言葉にできない思いを形にすることができます。例えば、暗い色を使ってキャンバスに思いをぶつける、悲しいメロディを奏でることで、自分の気持ちが整理されていくこともあります。
② 自己表現を通じて自分と向き合える
創作活動は、自己表現の一つです。うつ病になると、自分自身を見失いがちですが、作品を通じて「自分は何を感じているのか」「何を大切にしたいのか」を知るきっかけになります。
たとえば、気がついたら同じモチーフばかり描いている、特定の言葉が詩に多く出てくるなど、自分の深層心理が作品に表れることもあります。これを通して、今の自分の心の状態に気づくことができるのです。
③ 達成感が得られ、自己肯定感が高まる
うつ病になると、「自分は何をやってもダメだ」と感じることが多くなります。しかし、たとえ小さな作品でも完成させることで、「できた」「やり遂げた」という達成感を味わえます。
この達成感が積み重なることで、「少しずつでも前に進めている」と感じられ、自己肯定感の回復につながるのです。
④ 創作の時間が「今」に集中する時間になる
うつ病の人は、過去の後悔や未来への不安にとらわれやすく、「今この瞬間」に意識を向けるのが難しいことがあります。しかし、創作に没頭しているときは、過去や未来のことを考えず、ただ手を動かすことに集中できます。
これは「マインドフルネス」とも通じる考え方で、目の前のことに意識を向けることで、不安やストレスを軽減する効果があるとされています。
⑤ 創作活動がコミュニケーションの手段になる
うつ病のときは、人と関わること自体が負担に感じることがあります。しかし、創作活動を通じてなら、直接的な会話がなくても他者とつながることができます。
たとえば、SNSに作品を投稿する、オンラインの創作コミュニティに参加することで、同じ趣味を持つ人と交流できるかもしれません。直接「うつ病です」と言わなくても、自分の作品を通じて気持ちを共有できるのは、大きな救いになるでしょう。
創作活動を続けるために大切なこと
うつ病のときに創作活動をすることは有効ですが、無理をしてしまうと逆効果になることもあります。以下のポイントを意識して、無理なく創作を楽しむことが大切です。
① 完璧を求めない
「上手に描かないといけない」「いい曲を作らなければ」と思うと、創作がプレッシャーになってしまいます。うつ病のときは、結果よりも「作る過程」を大事にしましょう。
② 疲れたら休む
創作が楽しいと感じるときもあれば、気が乗らないときもあります。無理に続けるのではなく、「今は休む時期」と割り切ることも大切です。
③ 誰かと比べない
SNSでは、素晴らしい作品を作る人がたくさんいますが、比べる必要はありません。「自分のペースで楽しめればOK」という気持ちを持つことが大切です。
まとめ:創作は心のリハビリになる
うつ病のときに創作活動をすることで、感情の発散、自己表現、達成感の獲得など、さまざまなメリットがあります。何かを生み出すことで、自分自身と向き合い、気持ちを整理することが可能になります。
大切なのは、無理をしないこと。創作活動は「やらなければいけないもの」ではなく、「自分の心を癒すための手段の一つ」です。焦らず、自分のペースで楽しんでみてはいかがでしょうか。