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うつ病という診断を受けいれられない想いとは|受診すべき科・受診に抵抗があるとき
お薬 / うつ病
公開日:2024.09.06更新日:2025.02.02
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うつ病にかかったとき
2000年ぐらいに「うつ病は心の風邪」という啓発キャンペーンが行われました。現在では多くの人がうつ病という言葉を聞いたことがあると思います。しかし、自分がうつ病になったときにスムーズに診断を受け入れられるという方は、あまり多くないでしょう。
この記事では、「受診すべき科・受診に抵抗があるとき」、「うつ病という診断を受けいれられない想い」などのテーマでお話します。
どんな症状があるときに心療内科や精神科を受診すべきか
以下のように、様々な症状がうつ病にはあります。
- 気分的なもの…気分の落ち込み、好きなことを楽しめないなど
- 身体症状…頭痛、腰痛、体のしびれなど
- 生活習慣の変化…眠れない、朝早くに目が覚めてしまう、食欲がないなど
こういった症状のために日常生活に支障が出ているのなら、うつ病の可能性があります。
また、心療内科や精神科のクリニックのHPにはうつ病のチェックリストが載っていることもあります。チェックリストで自分の状態を確認するのも、よいかもしれません。
うつ病を相談する機関としては、心療内科や精神科が一般的です。でも、心療内科や精神科のクリニックに抵抗がある場合は、身体疾患の可能性を取り除くという意味でも、内科から受診してみるのもよいでしょう。大切なことは、時間が経過しすぎてしまったり、症状が悪化しすぎてしまう前に医療機関に相談をすることでもあります。
心療内科・精神科を受診することへの抵抗
20年ほど前と比べると、心療内科や精神科のクリニックは増えました。比較的軽い症状で心療内科や精神科を受診し、早めに治療を受ける患者さんも多くなりました。しかし、「精神科や心療内科で処方される薬には依存性がある」、「精神疾患は治らない」といった誤解や偏見はいまだあります。
他科と比べて心療内科や精神科を受診することに敷居の高さを感じてしまうことは、珍しいことではないです。しかし、うつ病は治療を受ければ治る心の病気です。日常生活に支障を感じるほどつらい症状がある場合、抗うつ薬の服用などの治療を受けたほうがご自分やご家族の幸せにつながると思います。
うつ病という診断を受けいれられない想い
心療内科や精神科を受診することへの抵抗と、うつ病という診断を受け入れられないという想いは別のものです。医師からうつ病であると診断されても、その診断を受け入れられないことは珍しいことではありません。抑うつ気分があまり目立たず、頭痛や腰痛、腹痛のような身体症状しかない場合なら、なおさらでしょう。また仕事や家庭を考えると、うつ病で休むといっていられないこと、休職を含めた治療提案が受け入れられないと感じることも多いと思います。
うつ病に限った話ではありませんが、病気を治すうえで最も大切なことは「安心して休養する」ことです。そのためには、診断に納得することが大切になります。診断への疑問や不安は、主治医に確認しましょう。特に頭痛や腰痛といった身体症状しかない場合、それぞれの症状に合わせた科の医療機関で検査を受けてみて、考えられる他の病気の可能性をひとつずつ消していくというのもよいでしょう。
うつ病の診断について
うつ病の診断は、アメリカ精神医学会による精神障害の診断と統計マニュアル改訂5版(DSM-V)と、世界保健機関の疾病及び関連保健問題の国際統計分類(ICD-10)に則った問診が基本です。その他、心理検査などの各種検査や診療を経て、診断に至るものでもあります。まずは、自己判断なさりすぎず、精神科・心療内科などの医療機関へご相談されることも大切です。
安心して休養するには
症状のために、考えや判断がまとまらないことも
仕事や家庭、自身の将来など先行きが分からず、色々な不安があると思います。このような不安があると治療に専念できません。病気や治療、薬、療養中の注意点など不安に思うことは、何回でも主治医に確認しましょう。症状のためブレーキがかかったかのように頭が動かないことがあります。この場合、家族に同席してもらって説明を聞いてもらうとよいでしょう。
薬がよく効くのであれば、以下の流れでうつ病の治療は進みます。
- 抗うつ薬を飲み始めて2~4週間程度で効果が見られはじめる
- 6ヶ月程度で症状が改善することが多い
- 症状がなくなっても、再発予防のために半年から1年くらいは維持療法として薬を飲み続ける
- その後は主治医の判断によって慎重に薬を減らしていく
- 再発を繰り返す場合や、治りづらい難治性の場合、症状が長引く場合ではさらに長期間薬を服用する必要がある
上記を見てみると、おそらく、自身が予想していた以上に治療期間が長いと感じられたかもしれません。お金の問題や仕事のことなど、様々な不安が出てくると思います。でも他の記事で紹介しますが、金銭を補償する制度や休職の流れなどについても、十分用意されています。不安なことを軽減し療養環境を整えながら、まずは安心して十分な休養を取ることが大切です。