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薬を飲むのが不安… 抗うつ薬の正しい知識と向き合い方
お薬 / うつ病
公開日:2025.02.18更新日:2025.02.18
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抗うつ薬の正しい知識と向き合い方
うつ病の治療のひとつとして、抗うつ薬が処方されることがあります。しかし、「副作用が怖い」「ずっと飲み続けないといけないの?」と、不安を感じる人も少なくありません。確かに、抗うつ薬にはメリットもあればデメリットもあります。しかし、正しい知識を持つことで、必要以上に怖がることなく、治療と向き合うことができます。
今回は、抗うつ薬の基本的な役割と、上手に向き合うためのポイントをご紹介します。
抗うつ薬ってどんな薬?
抗うつ薬は、脳内の神経伝達物質のバランスを整え、気分の落ち込みや不安を和らげる役割を持っています。うつ病は、セロトニンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質が不足し、気分や意欲を調整する機能が低下してしまうことで起こると考えられています。抗うつ薬は、これらの物質を適切な量に調整し、心の回復をサポートする薬なのです。
主に以下の種類があります。
- SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬): 副作用が比較的少なく、広く使用されている。
- SNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬): 意欲低下が強い場合に効果が期待される。
- NaSSA(ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬): 不眠や食欲不振を伴ううつに適している。
- 三環系・四環系抗うつ薬: 古くからあるが、副作用が出やすいため、現在は一部のケースで使用される。
「副作用が怖い…」 どんなことが起こるの?
抗うつ薬には、副作用が生じることがあります。ただし、すべての人に起こるわけではなく、体質や薬の種類によって異なります。主な副作用には、以下のようなものがあります。
- 眠気やだるさ
- 口の渇き
- 吐き気や胃の不調
- 体重増加
- 性機能の低下
これらの症状は、服用を続けるうちに身体が慣れて改善することも多い副作用でもあります。副作用が強いと感じた場合は、医師に相談し、薬の種類や量を調整してもらいましょう。
「薬をやめるのが不安… 依存性はあるの?」
抗うつ薬には依存性はほとんどないと言われていますが、いきなり服用をやめると、めまいや不安感、頭痛などの「離脱症状」が出るてしまうことがあります。
これは薬の依存とは違い、身体が急な変化に対応しきれないために起こるものですので、薬をやめるときは、医師の指導のもと、徐々に減らしていくことが大切です。
抗うつ薬と上手に向き合うためのポイント
① 薬の副作用や注意について理解をする
処方される「どんな効果のある薬なのか」「どんな副作用が出やすいのか」「副作用が出たらどうすればいいのか」など、医師から説明を受けたりすることも大切です。もちろん薬に対する不安がある場合は遠慮せず医師に伝えましょう。
② 自分に合った薬を見つける
抗うつ薬には種類があり、人によって合う・合わないもあります。最初の薬が合わなくても、別の薬に変更することで症状が改善することも多いので、焦らず試してみましょう。
但し、抗うつ薬のほとんどが効果の出はじめまでに、期間がかかることがありますので、薬の効果については焦らず医師と相談することも大切です。
③ すぐに効果が出なくても焦らない
抗うつ薬は、飲み始めてすぐに効果が出るものではありません。一般的に、2~4週間ほどかけて徐々に効いてくるため、「効かない」と感じても自己判断で中止しないようにしましょう。
④ 生活習慣の改善も意識する
薬だけに頼るのではなく、適度な運動・バランスの取れた食事・良質な睡眠を意識することで、体力も回復しやすくなります。
まとめ:薬は怖がりすぎず、正しく向き合おう
抗うつ薬は、うつ病の回復をサポートするための大切な治療薬です。医師と相談しながら適切に服用することが大切です。
「薬を飲むのが不安」と感じることは自然なことです。また正しい知識を持ち、自分に合った方法で治療を続けることが大切です。焦らず、無理のないペースで、心と向き合っていきましょう。