名古屋駅から直結徒歩1分の心療内科,精神科,メンタルクリニックのひだまりこころクリニック名駅地下街サンロード院がジストニア・アカシジア・ジスキネジア・夜間ミオクローヌスについて解説

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ジストニア・アカシジア・ジスキネジア・夜間ミオクローヌスについて|治療中のさまざまな身体の反応

お薬

公開日:2024.05.31更新日:2024.05.31

薬物誘発性急性ジストニア

さまざまな薬を用いて治療していると、薬による身体の反応も色々なものがあります。今回は、身体の反応の中でも薬物誘発性急性ジストニア、薬物誘発性急性アカシジア、遅発性ジスキネジア、夜間ミオクローヌスについてお話します。

ジストニアとは、意図しない筋肉の収縮を特徴とする運動障害です。通常は顔や首などの筋肉が影響を受けます。

原因

薬物誘発性急性ジストニアは、抗精神病薬や抗不安薬などの薬の使用が原因で生じるジストニアのひとつです。

症状

薬物誘発性急性ジストニアの症状は次のとおりです。

筋肉のけいれん

顔、首、舌、または他の筋肉が突然のけいれんを起こすことがあります。そのため、顔の表情が歪んだり、首がねじれたりします。

話すことや飲み込みの困難

舌や喉の筋肉が影響を受けることで、言葉の発音や飲み込みが困難になることがあります。

息苦しさ

喉や気管の筋肉が影響を受けることで、息苦しさや窒息感が生じる場合があります。

意図しない全身の運動

身体の一部が不自然な姿勢をとったり、異常な動きをしたりすることがあります。例えば、首が傾いたり、背中が反り返ったりすることです。重症の場合、全身の筋肉が不随意に動くことがあります。

姿勢の維持の困難

特定の姿勢を維持することが困難になることがあります。例えば、座っていても身体が前後に揺れたり、立っていても足が動いたりすることがあります。

治療

治療には、ジストニアを和らげるための抗コリン薬や抗てんかん薬などの薬物が使用されることがあります。また、症状が重篤な場合は、病院での入院治療が必要なこともあります。

治療で重要な事とは

重要なのは、薬物誘発性急性ジストニアの早期診断と適切な治療です。症状が発生した場合は、できる限り早く医療専門家に相談し、適切な治療を受けることが重要です。

薬物誘発性急性アカシジア

アカシジアは、身体の静止状態を保つことが困難で、不快な感覚や強い欲求に伴う不安や焦りをもたらします。この状態は、不安や不安定な感情の増加、身体の不快感、不安定な歩行などと関連しています。

原因

薬物誘発性急性アカシジアは、抗精神病薬、抗うつ薬など様々な種類の薬の使用が原因で生じる運動障害のひとつです。

症状

薬物誘発性急性アカシジアの主な症状は次のとおりです。

不安や焦り

患者は不安や焦燥感を感じ、落ち着かない状態になります。

静止状態の維持の困難

身体が不快な感覚に襲われ、止まっている状態を維持することが難しくなります。特に、座っているときや立っているときに、不安や焦燥感が強くなり、動きたくなることがあります。

不安定な歩行

アカシジアが重症な場合、歩行時に不安定さやふらつきを感じることがあります。

不安定な姿勢

アカシジアによって患者は身体の姿勢を保つことが難しくなり、不安定な姿勢をとることがあります。

治療

薬物誘発性急性アカシジアの治療には、アカシジアを和らげるための抗コリン薬や抗てんかん薬、抗不安薬などが使用されることがあります。また、薬の量や種類を変更することで症状を緩和することが可能です。

遅発性ジスキネジア

遅発性ジスキネジアは意図しない筋肉の動きがあり、顔や頸部の動きに影響を及ぼします。遅発性ジスキネジアの発生は、一般に薬の使用を終了した後数か月から数年後に発症することが多い傾向です。

原因

遅発性ジスキネジアは、抗精神病薬の長期間の使用に関連していますが、他の薬物や条件でも発生する可能性があります。治療開始後6か月までは、ほとんど生じることはないとされています。

症状

遅発性ジスキネジアの主な特徴は次の通りです。

意図しない筋肉の動き

顔や舌、口、唇、手、足などの筋肉が不随意に動き始め、けいれんします。これらの動きは、顔の奇妙な表情や口の動きに現れることがあります。口周囲の動きが最も多く、突発的な動きやねじれる動き、舌を突出させる、まばたきなどの動きです。また、 噛むような動きや顎を横にする動き、唇をすぼめたり、顔をしかめる 動きがある。指の動きや腕をつかむ動きもよくあります。

不自然な身体の動き

顔の突然の動きや不規則な体の動き、または指や手のけいれんによる不自然な動きを示すことがあります。例えば、口が開いたままになったり、口角が上がったりすることです。

話すことや食事の困難

顔や舌のけいれんにより、話すことや食事が困難になることがあります。

姿勢の変化

座っているときや立っているときに不自然な姿勢をとることがあります。これにより、日常生活の動作が困難になる場合があります。

症状の進行

遅発性ジスキネジアの症状は、通常、時間の経過とともに進行します。初期には軽度であり、進行すると重度になることがあります。

治療

治療法としては薬の量を減らしたり、異なる薬に切り替えたりすることがあります。また、遅発性ジスキネジアが発生した場合は、早期に医療専門家に相談し、適切な治療を受けることが重要です。

夜間ミオクローヌス

夜間ミオクローヌスは、睡眠中に発生する筋肉のけいれんのことで、睡眠時の運動障害のひとつです。

原因

原因は不明ですが、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬) の稀な副作用としてみられることがあります。

症状

夜間ミオクローヌスの症状は以下の通りです。

睡眠中の筋肉けいれん

特に、睡眠の浅い段階や睡眠周期の移行時に発生しやすい傾向です。一般的に、睡眠中に一連の短い筋肉のけいれんが起こります。

脚の症状

夜間ミオクローヌスは、主に下肢(脚)に影響を及ぼすことがあります。脚が突然動いたり、蹴り上げたりする感覚があります。

睡眠の妨げ

夜間ミオクローヌスの症状が激しい場合、睡眠の質が低下して頻繁に目覚めたり、夜間の睡眠が断続的になったりすることがあります。

日中の影響

睡眠が妨げられるため、日中の眠気や疲労感、集中力の低下など、日常生活に影響を及ぼす可能性があります。

治療

夜間ミオクローヌスに有効な治療法は知られていません。睡眠時の運動障害に悩む場合は、医師に相談してしましょう。

まとめ

今回は、薬物誘発性急性ジストニア、薬物誘発性急性アカシジア、遅発性ジスキネジア、夜間ミオクローヌスについてお話しました。治療のためには大切な薬ですが、身体への影響もあるため、今回お話ししたような症状がある場合は、医師に相談しましょう。

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野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など