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突然の息苦しさと動悸…それ、もしかしてパニック発作?
不安症・不安障害 / パニック症・パニック障害 / パニック発作
公開日:2025.03.15更新日:2025.04.03
突然の息苦しさと動悸とは
ある日突然、理由もなく胸がドキドキして息が苦しくなる。冷や汗が出て、手足が震え、「このまま死んでしまうのでは?」という強い恐怖に襲われる…そんな経験はありませんか?
それはもしかすると「パニック発作」かもしれません。今回は、このパニック発作の正体と対処法についてわかりやすく解説します。
パニック発作って何?
パニック発作とは、突発的に強い不安や恐怖を感じ、身体的な症状を伴う状態です。具体的な症状には以下のようなものがあります。
- 激しい動悸や心拍の増加
- 息苦しさや過呼吸
- めまい、ふらつき
- 発汗や震え
- 胸の痛みや圧迫感
- 吐き気や腹部の不快感
- 「自分が自分でない」感覚や現実感喪失
- 「このまま死んでしまうかも」という強い恐怖
これらの症状は、発作が始まると数分〜10分程度でピークに達し、30分ほどで落ち着くことが多いですが、その間は非常に苦しいものです。
なぜ起こるの?
パニック発作は、「脳の誤作動」によるものと言われています。もともと人間には危険から逃れるための「闘争・逃走反応」という仕組みが備わっています。これは、ライオンに襲われそうになったときなど、命の危機を感じたときに心拍を上げ、呼吸を早め、身体を戦闘モードにする反応です。
しかし、パニック発作では、実際には危険がない状況でも脳が「危険だ!」と誤認識し、同じ反応を引き起こしてしまうのです。その結果、突然の動悸や息苦しさが現れ、さらに「このまま死ぬかも」という恐怖が加わってしまいます。
発作が起きたらどうすればいい?
パニック発作は命に関わる身体症状ではありません。ただし、体はまさに命の危機を感じるほどの不安や緊張の高まりを起こしてしまい、その場ではとてもそうは思えないくらいの恐怖が襲ってきます。そこで、発作が起きたときの対処法をいくつかご紹介します。
「これはパニック発作だ」と認識する
「何か重大な病気では?」と焦るほど、恐怖が増します。まずは「これは発作で、すぐに落ち着く」と自分に言い聞かせましょう。
ゆっくり呼吸を整える
過呼吸になりがちなので、「4秒吸って、7秒止めて、8秒かけて吐く」など、意識的にゆっくり呼吸をすることが大切です。
周囲の環境を変える
人混みや閉鎖的な場所にいる場合は、少しでも落ち着ける空間を探しましょう。静かな場所や新鮮な空気を感じられるところに移動するのも効果的です。
手を冷やす、顔を洗う
冷たい水で手を冷やしたり、顔を洗ったりすることで、過剰に興奮した自律神経を落ち着けることができます。
気を紛らわせる
足踏みをしたり、指先を動かしたり、近くにあるものを数えたりすることで、体の感覚を現実に引き戻すことができます。
パニック発作を繰り返さないために
発作を経験した人の多くが、「また起きたらどうしよう」という予期不安に悩まされることがあります。これが悪化すると「広場恐怖」と呼ばれる状態になり、外出や特定の場所を避けるようになることも。
そんなときは、無理をせずに専門の医療機関を頼るのも大切です。心療内科や精神科では、薬物療法や精神療法といった治療法があります。また、マインドフルネスやリラクゼーション法を取り入れるのも有効です。
まとめ
突然の息苦しさや動悸に襲われたら、それはパニック発作かもしれません。あなたの苦しさを理解し、身体面と心理面の両方にフォーカスを置きながら、適切な対処をすることがとても大切です。
「また起きるかも…」と不安になりすぎず、もし繰り返すようなら、一人で抱え込まずに専門家に相談してみてください。