名古屋市中村区の名古屋駅から徒歩1分の心療内科・精神科・メンタルクリニックのひだまりこころクリニック名駅地下街サンロード院が双極性感情障害・躁うつ病について解説

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双極性感情障害・躁うつ病

双極性障害 / うつ病

公開日:2024.06.11更新日:2024.06.11

双極性感情障害とは?

双極性感情障害についてご紹介をいたします

以前は躁うつ病と呼ばれていたこの疾患は、異常にテンションが高い「躁状態」と、気分が非常に落ち込む「うつ状態」を繰り返す病気です。ICD-10では「双極性感情障害」ですが、DSM-5では双極性障害と表現するなど、この病気には様々なパターンや概念があることから、現在では「双極性障害」という名称で使われる方が一般的となっております。

双極性障害の症状

躁状態の症状

躁状態では、以下のような症状が見られます:

  • 急に火のついたように没頭する、睡眠時間が短くても平気であると感じる
  • 話のスケールが大きくなる、饒舌で上機嫌
  • 周囲への交流を突然求めるようになる
  • 浪費癖がつく、ギャンブルや大きな買い物をしてしまう

この状態では、「自分なら何でもできる」「自分はスーパーマンだ」という気持ちの高ぶりが強まり、不自然にエネルギッシュになります。しかしその高ぶりは計画性や根拠に乏しく、本人の思っているほど現実的には上手くいかないこともあります。その結果周囲とのトラブルを引き起こしやすく、社会的な信用を失ってしまうこともあります。

また、本人は自分が病気だと認識しにくいため、治療が難航することがあります。

うつ状態の症状

うつ状態では、抑うつや落ち込みから活動ができなくなってしまうだけではなく、双極性障害では強い罪悪感にさいなまれてしまうことがあります。「躁状態」での行動を振り返ったり、その結果、望まない事象を引き起こしてしまった自分を責め、「消えてなくなりたい」と考えることもあります。この状態は単極型のうつ病よりも精神的なストレス負担がずっと大きく、より落差の大きな「うつ症状」を感じてしまうことがあります。

周囲に人にとっても、そう状態による活動的な時間を超えて”落ち着いた”と感じてしまうことがありますが、実は、双極性障害のうつ状態は本人にとっては、とても辛く耐え難い症状であるということには注意が必要です。

双極性II型障害とは?

双極性II型障害は、基本的に「うつ状態」が主で、軽い「躁状態」が現れる疾患です。この軽い「躁状態」を「軽躁状態」と言います。双極性II型では、うつ状態の期間が長いため、軽い「躁状態」の存在を認められるまでは単極型のうつ病と判断されてしまうことも少なくありません。しかし、両者の治療方針は異なるため、専門家の診断や経過に応じた、双極性障害への可能性に対する観察はとても重要です。

混合状態とは?

双極性障害では、うつ状態と躁状態が同時に現れることもあります。例えば、気分は高揚し、行動もできるのに、思考がまとまらずチグハグで進まない、あるいは気分は落ち込んで考えがじっくり済んでいないのに、突然行動に移ってしまうなど、気分、思考、行動がバラバラになることがあります。このような状態を「混合状態」と言います。

診断と治療

双極性障害の診断や受診のきっかけとしては、躁状態や軽躁状態にあるときとうつ状態の時に受診するきっかけがあります。

しかし、躁状態や軽躁状態では本人は良い状態と感じているため、疲弊した周囲の家族や友人に連れられて医療機関を受診することも少なくありません。しかし、うつ状態の時というのは本人にとっては、とても辛く、しんどく感じられるためご本人から医療機関まで相談をされることもあれば、食事やお風呂もままならない状態を心配した家族に付き添われて受診される方も多いです。

しかし先にも説明しましたように、躁状態や軽躁状態については「元気な状態」「良い状態」であると感じて最初は本人ですら病的な症状であるという自覚がないこともあるので、問診上でも過去のエピソードとして十分に気づかれづらいこともあるということには注意が必要です。

そのため当初はうつ病と診断されることがありますが、医師は、うつ状態であっても、双極性障害や双極性感情障害の可能性を考慮しながら、経過を注意深く追っていきます。

薬物治療

双極性障害の治療には、気分安定薬や抗精神病薬が用いられます。躁状態の治療には、リチウム、バルプロ酸、カルバマゼピン、オランザピン、クエチアピン、リスペリドンなどが用いられます。うつ状態の治療には、非定型抗精神病薬のオランザピン、クエチアピン、ルラシドン、気分安定薬のリチウム、ラモトリギンなどが用いられます。

生活習慣の見直し、疾患への理解の促し

治療の一環として、生活習慣を見直し、睡眠や生活リズムを安定させることも重要です。双極性障害の治療では、気分の波をコントロールすることが目標となります。

また、双極性障害では、鬱状態や躁状態が繰り返され得る疾患であるという事、その状態をコントロールするために必要な治療としてのお薬や生活リズムの大切さを知ってもらうことは、病状の悪化時への早期の対処にも繋がる大切な患者教育となります。

まとめ

双極性感情障害は、躁状態とうつ状態を繰り返す病気で、診断と治療には専門家のサポートが不可欠であり、生活のリズムへの配慮や疾患に関するご理解もとても大切です。気分の浮き沈みが激しい、うつ症状などメンタルの不調でお困りの方は、専門家の医師に相談してください。

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野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など