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うつ病と人間関係|パートナーとの関係を良好に保つコツ
対人関係 / 非定型うつ病 / 心理面・思考 / うつ病
公開日:2025.02.25更新日:2025.04.15
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うつ病と人間関係について
うつ病になると、日常生活だけでなく、人間関係にも大きな影響を及ぼすことがあります。特に、パートナーとの関係は、お互いの理解と支えが必要不可欠です。しかし、うつ病の症状による気分の浮き沈みや、コミュニケーションの難しさが関係に影響を与えることも少なくありません。
本記事では、うつ病を抱えながらも、パートナーとの関係を良好に保つためのコツを紹介します。
自分の状態を正直に伝える
うつ病の症状は目に見えにくいため、パートナーに伝えなければ理解されにくいことがあります。「どうして元気がないのか」「なぜ急に会話を避けるのか」など、相手が不安に思うこともあるでしょう。そのため、自分の状態を隠しすぎず、できる範囲で伝えることが大切です。
ポイント
- 「今日は調子が良くないから、少し静かに過ごしたい」などシンプルに伝える
- すべてを話す必要はなく、負担にならない範囲で共有する
- 文章の方が伝えやすければ、メッセージや手紙を活用する
無理をしない、無理をさせない
うつ病の影響で、普段ならできることが難しくなる日もあります。そんなとき、「相手のために頑張らなきゃ」と無理をすると、逆に心身の負担が大きくなってしまいます。また、パートナーが「なんとか元気づけよう」と無理をすると、関係がぎくしゃくしてしまうこともあるので注意が必要です。
ポイント
- 「無理に元気に振る舞わなくてもいい」と自分に許可を出す
- パートナーにも「無理に励まさなくても大丈夫」と伝える
- 一緒にいるだけで安心できる関係を目指す
コミュニケーションのスタイルを工夫する
うつ病のときは、話すのがしんどい日もあります。そのため、「会話しなければ」とプレッシャーを感じると、余計に関係がストレスになってしまうことも少なくありません。お互いに負担にならない形でのコミュニケーションやルールについての工夫も大切です。
ポイント
- 「今日は話す気力がない」と伝えてもOKな関係を作る
- 直接の会話が難しいときは、LINEやメモを活用する
- スキンシップや一緒にいるだけの時間を大切にする
相手のサポートに感謝を伝える
うつ病のときは、「申し訳ない」「迷惑をかけている」とネガティブになりがちです。しかし、パートナーは必ずしも負担に感じているわけではなく、支えたいと思っていることもあります。その気持ちに感謝を伝えることで、お互いに良い関係を築くことができます。
ポイント
- 「支えてくれてありがとう」と短くても伝える
- 直接言いにくいときは、メモやメッセージを活用する
- 小さな気遣い(相手の好きなお茶を用意する、笑顔を見せる)でもOK
うつ病は「二人の問題ではない」と理解する
うつ病は個人の病気であり、二人の関係性の問題ではありません。「自分のせいでパートナーがしんどくなっている」「パートナーがもっと頑張ってくれたら治るのに」などと思わず、病気と人間関係を切り分けて理解してみてみることも大切です。
ポイント
- うつ病は「二人の関係のせい」ではないと理解する
- 「一緒に乗り越える」ではなく、「それぞれのペースで向き合う」意識を持つ
- 必要ならカウンセリングや専門家の意見も取り入れる
まとめ
うつ病とパートナーとの関係を良好に保つためには、お互いの負担を減らし、無理なく支え合うことが大切です。
以下に今回のまとめを記載しました
- 自分の状態を正直に伝える
- 無理をしない・無理をさせない
- コミュニケーションの形を工夫する
- 相手のサポートに感謝を伝える
- うつ病と人間関係を切り分けて考える
パートナーとの関係に負担やストレスを感じるのではなく、安心できるものになるよう、体調を考慮してお互いのペースを尊重しながら向き合っていける距離感が大切です。
野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など
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