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朝起きられない・やる気が出ない…もしかして“新型うつ”?
非定型うつ病 / 睡眠障害・不眠症 / うつ病
公開日:2025.03.21更新日:2025.03.24
朝起きられない・やる気が出ない…“新型うつ”との関係は?
「朝起きられない」「仕事や学校に行く気力が湧かない」といった悩みを抱えていませんか? もしかすると、それは“新型うつ・非定型うつ病”のサインかもしれません。従来のうつ病とは少し異なるこの症状について、原因や対処法を詳しく解説していきます。
新型うつとは?
一般的なうつ病は、仕事やプライベートなど関係なく一日中気分が落ち込み、何をしても楽しいと感じられないのが特徴です。しかし、新型うつ(非定型うつ病・現代型うつとも呼ばれます)は少し違います。
- ✅ 仕事や学校など「やらなければならないこと」には強い抵抗感がある
- ✅ 一方で、趣味や好きなことには興味を持ち、楽しめる
- ✅ 朝起きるのが特に辛く、夕方や夜になると元気が戻りやすい
- ✅ 他人の言葉や評価に非常に敏感
このような特徴があるため、周囲から「怠けているのでは?」と誤解されてしまうことも少なくありません。
新型うつの原因
新型うつは、環境や性格的な要因が複雑に絡み合って発症すると考えられています。特に以下の要因が影響しているとされています。
- 過度なストレス➡職場や学校、人間関係などで無理を続けている
- 完璧主義や自己否定感➡自分に厳しすぎる性格の人ほど陥りやすい
- ライフスタイルの乱れ➡睡眠不足や不規則な生活リズム
また、「自分のやりたいことはできるけれど、義務的なことが辛い」という状態は、脳内の神経伝達物質(セロトニンやドーパミンなど)のバランスが崩れている可能性もあります。
どうやって対処すればいいの?
新型うつを放置してしまうと、さらに症状が悪化して日常生活が立ち行かなくなることもあります。早めの対応が何よりも大切です。
1. まずは医療機関に相談を
「ただの怠けだ」「気合いで乗り切ろう」と思わず、心療内科や精神科の医師に相談してみましょう。正しい診断を受けることで、適切な治療が受けられます。
✅ 薬物療法➡抗うつ薬や抗不安薬で脳のバランスを整える
✅ 精神療法➡疾患の傾向や症状についての理解と教育。認知行動療法や対人関係療法などを取り入れて、考え方やストレスの受け止め方を見直す
2. 自分でもできるセルフケア
医療機関の治療と並行して、日常生活でも工夫できるポイントがあります。
規則正しい生活リズムを作る
- 朝起きる時間を一定にする(夜更かしを防ぐ)
- 日中に軽い運動を取り入れ、体を動かす
- 夜はスマホやPCを控え、リラックスする時間を作る
栄養バランスの整った食事
- ビタミンB群やタンパク質をしっかり摂取(セロトニンの生成を助ける)
SNSや情報過多を避ける
- 他人と比較して落ち込むのを防ぐために、SNSやネガティブな情報から距離を置く
小さな成功体験を積み重ねる
- 「今日は洗濯できた」「散歩に行けた」など、小さなことでも達成感を意識して、自分を褒める習慣をつける
家族や周囲の理解も重要
新型うつを抱えている人にとって、家族や友人などの理解とサポートも大きな支えになります。
- 「甘えている」と決めつけずに話を聞く
- 無理に励まさず、寄り添う姿勢を大事にする
- 一緒に病院やカウンセリングに付き添う
まとめ
「朝起きられない」「やる気が出ない」という症状が続いている場合、それは“新型うつ”のサインかもしれません。怠けではなく、心のSOSです。無理せず、医療機関への相談を検討しながら、自分に合ったケアを取り入れていきましょう。あなた自身や大切な人が心の不調で悩んでいるなら、どうか一人で抱え込まずにメンタルクリニックや心療内科,精神科までご相談ください。
引用文献
- 厚生労働省「こころの耳」(https://kokoro.mhlw.go.jp/)
- 日本うつ病学会「うつ病治療ガイドライン」(https://www.secretariat.ne.jp/jsmd/)
- 世界保健機関(WHO)「Depression」(https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/depression)
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