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パニック発作の”また起きたらどうしよう”不安から抜け出す方法
予期不安 / 不安症・不安障害 / パニック症・パニック障害 / パニック発作
公開日:2025.03.15更新日:2025.04.03
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パニック発作の”また起きたらどうしよう”とは
パニック発作を経験した後、多くの人が「また発作が起きたらどうしよう」と不安を抱え続けてしまいます。この“予期不安”が、さらに新しい発作を引き起こす悪循環を生んでしまうことも。しかし、その不安を手放して、安心して生活を送る方法があります。今回は、パニック発作の予期不安から抜け出すための実践的な方法をご紹介します。
予期不安とは?
「予期不安」とは、パニック発作を経験した後に「また同じような発作が起きるのでは?」と予測してしまうことで生じる不安のことです。これが長引くと、
- 電車や人混みを避ける
- 一人での外出を怖がる
- 発作が起きることを考えるだけで動悸や息苦しさを感じる
といった行動制限につながり、生活の質を大きく下げてしまいます。この「予期不安」そのものが新たな発作を呼んでしまうので、どう対処するかがとても重要です。
「不安を否定しない」ことから始めよう
「また起きたらどうしよう」と考えてしまうのは、当然のことです。むしろ、「不安になってはいけない」と抑え込もうとすると、かえって意識がそこに集中し、不安が膨れ上がります。
まずは、「不安になるのは当たり前」と受け入れてみましょう。「また発作が起きたらどうしよう」と思っても、「あ、今私は不安になっているんだな」と、一歩引いて自分を観察するだけで、不安をコントロールしやすくなります。
浮かんだ「最悪のシナリオ」を冷静に考えてみる
予期不安が強いと、「発作が起きたらどうしよう→倒れてしまう→誰も助けてくれない→死んでしまうかも」という極端な考えが浮かびがちです。
でも、実際に起こる可能性を冷静に考えてみましょう。
- 倒れることはほとんどない➡実際にパニック発作で意識を失うことは極めて稀です。
- 周囲の人は助けてくれる➡もし具合が悪そうにしていたら、駅員さんや近くの人が助けてくれます。
- 発作は必ず収まる➡パニック発作の症状は一時的なもので、数分から10分程度でピークを越えます。
頭の中に強く浮かんだ「最悪のシナリオ」が現実的ではないと気づくだけでも、不安を和らげることに繋がります。
「不安日記」をつけてみる
不安を頭の中だけで考えていると、どんどん大きく感じてしまいます。そんなときは、不安をそのまま紙に書き出してみましょう。
例えば、
- どんな状況で不安を感じたか
- そのとき何を考えたか
- 実際にどうなったか
を書いていくと、「考えていたほどひどいことは起きなかった」と気づくことが増えていきます。書くことで頭が整理され、不安を客観視できる効果もあります。
「発作が起きても大丈夫」を体験する
予期不安を乗り越えるには、「発作が起きても大丈夫だった」という成功体験を積むことも効果的です。
例えば、
- 「今日は駅まで歩いてみる」
- 「電車に1駅だけ乗ってみる」
- 「人混みの少ない時間帯を選んで外出してみる」
など、自分に合った小さなチャレンジから始めてみましょう。無理をする必要はありません。「ちょっとできた」という達成感を積み重ねることで、「大丈夫だった」という記憶が強化され、次第に不安が和らいでいきます。
専門家に頼るのも大切
「どうしても一人では不安を手放せない」と感じるなら、心療内科や精神科・メンタルクリニックに相談するのも大切です。
- 薬物療法➡不安障害とのしての薬物治療を組み立てながら、必要に応じて、不安を抑える頓服薬も併用しながら心を安定させる
- 認知行動療法➡考え方や行動を少しずつ変えていくことで、不安を軽減していく
- 疾患について理解をする➡パニック症やパニック発作の特徴について理解をして対処法を身に付けていく
このような方法を組み合わせることで、無理なく予期不安を減らしていくことができます。
まとめ
「また起きたらどうしよう」という不安を手放すための対処法として以下を紹介しました
- 不安を否定せず受け入れる
- 最悪のシナリオを冷静に見直す
- 不安日記をつけて整理する
- 小さなチャレンジで成功体験を積む
- 必要なら専門家のサポートを受ける
パニック発作を経験して、「また起きたらどうしよう」と困ってしまった時、何かやってみようと思える対処法がございましたら是非取り組んでみてください。ですが、無理をしすぎず少しずつ、焦らずに、自分のペースで前に進んでいきましょう!