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Hidamari Kokoro Clinic
「抑うつ」という静かなサインに気づくとき
抑うつ / うつ病
公開日:2025.04.14更新日:2025.04.17
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それは“こころの燃え尽き予備軍”?「抑うつ」という静かなサインに気づくとき
- 「朝、目覚ましが鳴っても体が動かない」
- 「好きだったはずのことが、ただ面倒に感じる」
- 「なんとなくしんどい。でも理由がわからない」
このような状態が続いていませんか?これらの“言葉にならないしんどさ”の正体として、近年よく使われているようになっているのが「抑うつ状態」です。
抑うつは「静かな疲弊」/うつ病とはちがう“心のスモールサイン”
抑うつとは、心のエネルギーがゆっくりと減っていく過程で現れる、一時的な心理的ストレス状態です。医学的には「気分の落ち込み」や「興味・関心の低下」などが見られますが、それだけではありません。
- ✔ 眠っても疲れが取れない
- ✔ 些細なことでイライラする
- ✔ 誰とも話したくないが、ひとりもつらい
- ✔ 仕事のミスが増えるが、やる気もわかない
こうした状態は「心の燃え尽き予備軍」とも言えるもので、自分でも気づかないうちに心が疲弊しているサインでもあり注意が必要です。
「疲れているのに止まれない社会」が抑うつを生む
現代社会では、“がんばること”が前提で生きている人が多く、心の不調に対してブレーキをかけづらい空気があります。
- 「休むのは怠け」だと感じる同調圧力
- SNSで他人と比べてしまう情報疲れ
- 頼られる立場や責任の重圧
- 「もっとできるはず」と自分を追い込む思考癖
こうした背景が重なっていくことで、心はゆっくりと摩耗し、「抑うつ」という形で限界を知らせてくるのです。
“なんとなく不調”を軽視しないで/あなたの感覚を大切に
抑うつは一過性のものとして自然に回復することもありますが、それが長引くと日常生活にじわじわと悪影響を及ぼしてしまいます。特に、真面目で責任感が強い人ほど、「自分さえ頑張れば大丈夫」と症状を見過ごしてしまいがちです。
でも、「おかしいな」「最近しんどいな」と感じることは、すでにあなたのこころが出しているメッセージです。そのあなたの感覚を大切にケアをしていくことは大切です。
自分を守るための“減速・ブレーキ”という選択
抑うつを予防し、回復していくためには「無理して進まない」ことも大切な選択です。たとえば
- 通勤電車では音楽を消し、静けさに身を委ねてみる
- スマホの通知を減らして、刺激を減らす
- “誰かの期待”ではなく“自分の本音”に意識を向ける
- 「やらなければ」ではなく「今は、やめてみよう」という視点
こうした小さな減速が、心の再起動には欠かせません。
専門家と話すという「整え方」「心のケア」もある
「ただ疲れているだけ」か「抑うつ状態か」は、自分では判断がつかないこともあります。そんなときは、精神科や心療内科などの専門家に相談するのが、最も確実なステップです。
早めに相談することで、薬に頼らずとも回復を促す方法が見つかることもありますし、気持ちを言語化するだけでも、一杯になってしまった感情が、すこし楽になることもあります。
心に「余白」をつくる。それが再スタートの準備になる
抑うつは、心が疲れているというサインであり、「ダメな自分」ではなく、「助けが必要な状態の自分」をあらわしている症状なのです。
だからこそ、「まだ大丈夫」と自分に言い聞かせ続けるのではなく、「そろそろ立ち止まってもいいかもしれない」と思うことも、大切な“自分を守る力”となります。心に余白をつくる時間は、ただの休息ではなく、心のケアや回復準備のための時間でもあるのです。
名古屋駅の心療内科,精神科,メンタルクリニックのひだまりこころクリニック名駅地下街サンロード院も、抑うつやうつ病の診療を行っております。名古屋駅から徒歩1分のサンロード地下街にありますクリニックですので、名古屋市内外にお住いの方で、心療内科や精神科をお探しの方にも通院していただきやすい医療機関です。お気軽にご相談くださいませ。
野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など
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