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言いたくないけど、隠すのもつらい… うつ病を職場に伝えるべきか?
対人関係 / 職場とメンタル / 非定型うつ病 / うつ病
公開日:2025.02.21更新日:2025.04.15
うつ病を職場に伝えるべきか?
うつ病を抱えていると、職場でどう振る舞うべきか悩むことが多くなります。特に「職場に病気のことを伝えるべきか?」という問題は、多くの人が一度は考えるものです。
職場に言わずに乗り切ろうとすると無理が重なってしまうこともあり、逆に職場に伝えると周囲の反応が気になる――。この難しい問題にどう向き合えばよいのでしょうか?今回ご紹介をいたします。
伝えるメリットとデメリット
職場にうつ病を伝えるメリット
職場にうつ病を伝えるメリットとしては、業務の配慮が受けやすくなる点が挙げられます。
例えば、勤務時間の調整や仕事量の軽減、休職の相談がしやすくなることが考えられます。また、理解のある職場なら、同僚や上司のサポートを受けやすくなり、無理をせずに働き続けることができます。
職場にうつ病を伝えるデメリット
一方で、職場の理解が十分でない場合、「怠けている」「甘えている」などと誤解されるリスクもあります。特に精神疾患への偏見が強い職場では、昇進や評価に影響する可能性があるため、慎重に判断する必要があります。
どのタイミングで伝えるべき?
うつ病の症状が軽く、仕事に大きな支障がない場合は、無理に伝える必要はないかもしれません。しかし、仕事に影響が出ている場合は、早めに上司や人事担当者に相談するのが望ましいです。
特に、頻繁に休んでしまう、業務遂行が難しいと感じるなどの状況では、適切なサポートを受けるためにも伝えたほうが良いでしょう。
伝え方のポイント
職場にうつ病を伝える際は、以下のポイントを意識するとスムーズに話が進みます。
簡潔に伝える
詳細な、時系列での病状経過を話すよりも、「体調の関係で一部業務の調整が必要」「こういう体調で困っている」といった伝え方をするとスムーズに伝わることがあります。
必要な配慮を明確にする
勤務時間の調整や仕事内容の軽減など、具体的な希望を伝えると職場も対応しやすくなります。
信頼できる相手に相談する
直属の上司が話しにくい場合は、人事部や産業医に相談するのも一つの方法です。
無理をしない選択を
職場でうつ病を隠して無理をすると、症状が悪化しやすくなります。
とはいえ、伝えることで新たなストレスを感じる可能性もあるため、自分の状況や職場の環境を踏まえて慎重に判断しましょう。最も大切なのは、目先ではなく長い目で見て社会生活をつづけるためにも、自分の体調や健康面に応じた対応を意識することでもあります。
野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など
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