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うつ病と依存症。お酒やギャンブルに頼りたくなる気持ちとの向き合い方
依存症 / 非定型うつ病 / うつ病
公開日:2025.02.21更新日:2025.04.15
お酒やギャンブルに頼りたくなる気持ちとの向き合い方
うつ病の症状が重くなると、つらさから逃れようとお酒やギャンブルなどに頼ってしまうことがあります。一時的に気が紛れるかもしれませんが、依存が進むと症状の悪化や生活の乱れにつながり、かえって自分を追い詰めてしまうことも少なくありません。
では、なぜ依存しやすくなるのか、どう向き合えばいいのかについて紹介をいたします。
なぜ依存しやすくなるのか?
うつ病を抱えていると、気分が沈み、無気力になりやすくなります。その苦しさから逃れるために、瞬間的に気分が高揚するもの(アルコール、ギャンブル、買い物など)に頼ることがあります。特にお酒は気分を和らげるように思えますが、過剰に飲むことで脳の働きが鈍くなり、さらに落ち込みやすくなります。
ギャンブルや過度な買い物も、刺激を求めて繰り返しやすくなります。一時的な興奮は、脳内の「報酬系」という仕組みを刺激しますが、それが習慣化すると依存症につながる危険性があるのです。
依存を防ぐためのポイント
1. 自分の状態を知る
「最近、お酒の量が増えている」「ギャンブルに行く頻度が増えている」と感じたら、それは心が助けを求めているサインかもしれません。まずは自分の行動を振り返ってみましょう。
2. 代わりのストレス発散法を見つける
お酒やギャンブルに頼る代わりに、心を落ち着ける方法を探してみましょう。例えば、軽い運動、深呼吸、アロマテラピー、読書など。体を動かすことで気分転換になり、リラックスする時間を持つことで依存の悪循環を断ち切る手助けになります。
3. 誰かに話す
友人や家族など、信頼できる人に今の気持ちを話すことで、気持ちが整理され、依存から抜け出すきっかけになることがあります。
4. 必要なら専門機関を頼る
もし依存が深刻化していると感じる場合は、専門の医療機関やプログラムを受けることも検討することが大切です。うつ病と依存症を同時にケアできる機関もあります。
まとめ
うつ病のつらさから逃れるために、お酒やギャンブルに頼りたくなる気持ちは無理もないことです。
しかし、それが習慣化すると、さらに自分を苦しめる結果になりかねません。大切なのは、依存に頼らず、別の形で自分を労わる方法を見つけること。無理をせず、少しずつ心を整えていくことが、回復への第一歩となります。
野村紀夫 監修
医療法人 山陽会 ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など
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