地下鉄名古屋駅 徒歩1分
大人のためのメンタルクリニック
診療案内
Hidamari Kokoro Clinic
醜形恐怖症
醜形恐怖症
公開日: 2025.01.22 更新日:2025.01.22
[ Index ]
醜形恐怖症とは
醜形恐怖症(Body Dysmorphic Disorder, BDD)は、自分の外見や身体の特定部分に過剰に不安を感じ、他人には問題がない場合でも、極度に欠陥があると考えてしまう精神的障害です。
患者は、その部分に対して恐怖や不安を感じ、鏡で頻繁に確認したり、外科的手術を希望したりすることがあります。
醜形恐怖症の症状について
主な症状:
- 過度の外見への心配:顔や体の一部(鼻、肌、髪型、体型など)の欠陥があると感じ、その欠点が他人に見られていると強く思い込む。
- 鏡の確認行動:外見を繰り返しチェックし、欠点を改善しようとする行動が目立つ。
- 低い自己評価:自分の外見に極度に否定的で、非常に不細工だと感じる。
- 社会的回避:外見への不安から、人と会うことを避け、社交的な場面から距離を置く。
- 過剰な改善行動:化粧や服装、外科手術などを行うが、改善が自分で実感できない。
醜形恐怖症の原因とは
原因:
醜形恐怖症の原因はまだ明確ではありませんが、以下の要因が影響しているとされています:
- 遺伝的要因:家族に同じような症状を持つ人がいると、発症リスクが高くなることがあります。
- 心理的要因:過去に外見に関する否定的な体験や、いじめが影響を与えることがあります。
- 神経生物学的要因:脳内の神経伝達物質のアンバランスが関与している可能性もあります。
醜形恐怖症の診断について
診断:
醜形恐怖症の診断は、外見に対する過剰な不安が長期間続き、生活に支障をきたしている場合に下されます。
特にDSM-5において、醜形恐怖症の診断のポイントとしては
- 身体上の外見の欠陥あるいは欠点に本人は囚われているが、他者から見るとその懸念が過大である
- 外見上の心配があり、鏡を見る・過剰な身だしなみの整え・他者との見た目を繰り返し気にする
- 社会行動の制限が起きている(見られるのが嫌で人と話ができない・窓に映る自分の顔が見得る電車に乗れないなど)
他の精神的な障害が原因ではないことを確認するため、専門家による詳細な評価も大切です。
醜形恐怖症の治療について
治療方法:
- 認知行動療法(CBT):患者が抱える外見に対する不合理な恐怖を減少させるため、思考パターンの修正が行われます。
- 薬物療法:抗うつ薬や抗不安薬が処方されることがあり、特にSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)が効果的です。
- 支持療法:患者の自己肯定感を高め、社会的なサポートを提供することが重要です。
適切な治療により醜形恐怖症の症状を改善することが可能ですが、早期に専門医を訪れ、支援を受けることが重要です。
よくあるご質問
FAQ強迫性障害とうつ病について
強迫性障害や強迫症は、うつ病の合併率が比較的に高いとされており、
強迫性障害や強迫症の30%の方にうつ病を合併しているという報告があります。
強迫性障害の診断基準について教えてください。
以前は強迫性障害は不安障害の一種であると考えられていましたが、最新のDSM-5(アメリカ精神医学会での診断基準)では不安障害とは独立した異なる疾患であると強迫性障害は分類されています。
そのDSM-5の中では①強迫観念・強迫行為、またはその両方の存在、②強迫観念または強迫行為が時間を浪費させる(1日1時間以上かける)、または臨床的に意味のある苦痛、または社会的・職業的・その他の重要な領域における機能の障害を引き起こしている、といった事が診断基準として挙げられています。
強迫性障害の症状とはどんなものですか?
強迫性障害の症状では、自分では不合理・無意味と認識していても、強迫観念・強迫行為が繰り返されて、自分では制御できないので不安や苦痛が生じてしまいます。
強迫性障害に関する、強迫観念とは、頭から離れない考えのことで、「人を傷つけてしまうのではないか」等、その内容が不合理な事や一般的にあってはならないことや心に受け入れられない事柄であったとしても、頭から追い払う事ができないもののことを言います。これらの考えはきっかけもなく突然に浮かんできてしまうこともあります。
強迫行為とは、手を何度も洗ってしまう洗浄強迫、戸締りや火の始末を忘れていないか何度も確認してしまう確認強迫が代表的なものですが、心の中で数を数えたり言葉を繰り返したりなどの心の中で行ってしまう事柄も含まれます。
強迫性障害はどのような人がなりやすいですか?
疫学的には強迫性障害の生涯有病率は2~3%と言われています。
発症年齢は思春期や若年成人で多く、平均年齢は19.5歳。1/4が14歳までに発症しているものの、35歳以上での発症は稀だと考えられています。男女差はないものの、男性の方が女性よりも発症年齢が若く、男性患者の約25%は10歳以前に発症するといわれているので、子供であっても注意が必要です。26~35歳での発症は女性のほうが多くなっています。
強迫性障害とはどんな疾患ですか?
昔は強迫神経症と呼ばれていた疾患で、強迫観念・脅迫行為が主な症状です。
WHOの報告では生活上の機能障害を引き起こす10大疾患のひとつとも言われています。アメリカのデータではうつ病の患者さんの約13%の人がこの強迫性障害を合併しているとも言われています。患者さんが病気であるという認識があることは多いものの、自分ではなんともできず・自分の問題だと抱え込んでしまい周囲には相談しづらいく、お一人で悩んでいることが多い疾患であるといえます。