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アスペルガー症候群
アスペルガー症候群
公開日: 2025.01.20 更新日:2025.01.20
[ Index ]
アスペルガー症候群について
アスペルガー症候群(AS)は、現在では自閉スペクトラム症(ASD)として分類される発達障害の一つです。
この障害の特徴は、主に社会的相互作用やコミュニケーションの難しさです。ただし、知的障害や言語発達の遅れは一般的に見られません。むしろ、言語能力や知的な能力が通常以上であることが多いという特徴もあります。
アスペルガー症候群の特徴①
アスペルガー症候群には、以下のような特徴が見られることがあります:
1. 社会的な関わりにおける課題
アスペルガー症候群の人は、他の人との社会的なやり取りに困難を感じることが多いです。たとえば、他者の感情や表情を理解するのが難しく、会話のタイミングを掴むのが苦手だったり、適切な距離感を保つのが難しい場合があります。アイコンタクトや身振り手振りなど、非言語的なコミュニケーションも不器用なことがよくあります。
アスペルガー症候群の特徴②
2. 強いこだわりや特定の興味への没頭
アスペルガー症候群の特徴の一つとして、特定の事柄に非常に強い興味を持ち、その分野に没頭することがあります。例えば、特定の趣味やテーマに関しては、他の誰よりも深く掘り下げて学んでいることがしばしばあります。この強い関心が周囲から理解されにくいこともあります。
アスペルガー症候群の特徴③
3. 繰り返しの行動や規則への固執
日常生活の中で、決まったルールや行動パターンに強いこだわりを持つことがあります。例えば、毎日同じ道を通ることに執着したり、物の配置に対する細かなこだわりが見られることがあります。このような変化を避ける傾向があり、新しい環境や状況への適応に困難を感じることがあります。
アスペルガー症候群の特徴④
4. 感覚の過敏または鈍感さ
アスペルガー症候群の人々は、感覚の変化に対する過敏性や鈍感さを示すことがあります。たとえば、特定の音や光に対して異常に敏感だったり、逆に痛みや温度に対して感覚が鈍いこともあります。これらの感覚の違和感がストレスや不安の原因となることがあります。
アスペルガー症候群の診断と治療
診断と治療:
アスペルガー症候群は、専門的な診断を受けることで確定されます。診断には、面接や観察、質問票、場合によっては心理的評価が用いられます。現在、DSM-5では、アスペルガー症候群は自閉スペクトラム症(ASD)という枠組みに含まれており、DSM-5に於いては、かつてのように独立した診断名として使用されることはありません。しかし、ICD-10病名ではアスペルガー症候群が存在しているので、診断名そのものがなくなったわけではありません。
治療方法には以下のようなものがあります:
- 社会的スキルトレーニング:他者との関係をうまく築くためのスキルを学ぶために、集団活動や個別支援を受けることがあります。
- 認知行動療法(CBT):感情のコントロールや不安の軽減を目的とした治療法として認知行動療法が使われることがあります。
- 家族の支援:アスペルガー症候群を持つ人々の生活を支援するために、家族や周囲の人々の理解と協力が不可欠です。
社会適応と経過について
社会への適応と経過:
アスペルガー症候群の人々は、社会的な困難を抱えつつも、適切な支援があれば学校や職場においても成功することができます。特に、特定の分野においては非常に高い能力を発揮することが多く、その才能は社会にとって価値あるものとなることもあります。たとえば、技術的な分野や科学、音楽などで顕著な成果を上げることもあります。
早期の診断と支援が行われることで、社会的なスキルを高め、より豊かな生活を送ることが可能になります。また、大人になってから自己理解が深まることで、さらに効果的に対処する方法を見つけることができます。
アスペルガー症候群における治療や支援は、個別の症状やニーズに合わせて調整されるため、早期の対応が重要です。
野村紀夫 監修
ひだまりこころクリニック 理事長 / 名古屋大学医学部卒業
保有資格 / 精神保健指定医、日本精神神経学会 専門医、日本精神神経学会 指導医、認知症サポート医など
所属学会 / 日本精神神経学会、日本心療内科学会、日本うつ病学会、日本認知症学会など