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社会リズム療法について

2024.06.082024.06.11

双極性障害、心理面・思考

社会リズム療法

日が昇り、朝になると目が覚め、太陽が高く昇るにつれて体が活動的になり、日が沈み始めて夜になるにつれて眠くなる。

このように人の体は、毎日の時間の移り変わりとともに、活動状態と休息状態を繰り返します。これは、人間の体には「概日リズム」というリズムが刻まれているためです。

心身の健康と関係するものの一つに「概日リズム」があります。この記事では、「社会リズム療法」について、概日リズムを説明したうえで解説します。

概日リズムとは

人間の体がもつ、おおよそ24時間周期のリズムは、概日リズム・別名サーカディアンリズムと呼ばれます。

概日リズムは脳の視床下部の視交叉上核(網膜から大脳へ伸びている視神経の交わる場所)により、コントロールされているのです。しかし、おなかが空いたらグーっと鳴る「腹時計」は専門用語ではありませんが、概日リズムに従って色々なホルモン分泌や体温調節などが行われた結果、目覚めたり、食事や外出・運動といった活動が行われます

概日リズムには、太陽や外の環境との関連都の合致も重要になります。しかし、概日リズムと、外の環境とのずれが生じたり、私たちの活動とでズレてしまうと、心身に様々な問題が生じます。

例えば、ズレの代表例は時差ボケです。時差9時間あるロンドンへ旅行に行ったとします。正午に飛行機に乗ったとしても、飛行機による約12時間の移動時間をへて、現地時間の午後3時にイギリスに到着することになりますが、しかし午後3時といえばまだ活動的に過ごせる時間帯でもあります。

しかしながら、身体の概日リズムは、イギリスの標準時間に調整できておらず、体感では午前0時の気分となって、ものすごく眠くなってしまうという状況が起きてしまうのです。夜勤勤務者が体調を崩しやすいのも時差ボケと同様で、体のリズム(概日リズム)と実際の24時間のリズムのズレから説明できることであります。

時差ボケを解消するために

時差ボケによる眠気を解消するためには、概日リズム(体のリズム)と実際の24時間のリズムとを合わせる必要があります。一番に時間のリズムを合わせる効果があるのは、日光であり、それも朝の陽ざしなのです

網膜から大脳へ伸びている視神経の交わる視交叉上核で概日リズムがコントロールされているので、目から得られる太陽の光はとても大切なのです。他にも、明るい光の元での運動にも効果があります。

社会リズム療法

心身の健康やバランスを整える上で大切なものは、概日リズムだけではないのです。人間は社会的な活動が欠かせない生物でもあるので、対人関係による社会的刺激の影響も無視できないからです。そして、概日リズムと社会的刺激の2つを整えることを目的に行われる心理療法については、社会リズム療法と呼ばれます。

社会リズム療法では、概日リズムと社会的刺激の2つの観点からソーシャルリズムメトリック(SRM)を用いて、1週間ごとに毎日の活動をチェックしていきます。概日リズムの観点ではその活動をした時刻をチェックし、社会的刺激の観点ではその活動に他の人がどの程度かかわっていたかをチェックします(自分ひとりから刺激が強いと言えるほど他者とかかわりあったなどの4段階)。

つまり、その日の気分はどうだったか総括として、すごく憂うつからすごく高揚の11段階にて評価をするのです。

SRM(ソーシャルリズムメトリック)について

SRMの活動チェックリストは以下の17項目からなります。まずは評価しやすい項目からチャレンジしてみることをお勧めいたします。

1.起床した時刻について

2.人と初めて接触した時刻について

3.朝の飲み物を飲んだ時刻について

4.朝食をとった時刻について

5.一日の中で初めて外出した時刻ついて

6.仕事・学校・家事・ボランティアなどの活動を始めた時刻

7.昼食をとった時刻について

8.昼寝をした時刻について

9.夕食をとった時刻について

10.運動をした時刻について

11.夜食・飲み物をとった時刻について

12夜のテレビのニュース番組を見た時刻について

13.別のテレビ番組を見た時刻について

14~16.活動A、活動B、活動Cをした時刻(患者さんごとに決めます)

17.就寝した時刻について

このように、SRM(ソーシャルリズムメトリック)を作成することにより、自分の体のリズムや社会リズムが気分とどのような関連しているのかが見えてきます。体のリズムや社会リズムを意識して整えていくことで、病状の改善を目指します。

社会リズム療法は双極性障害の治療に有効

社会リズム療法とは概日リズムと社会的活動・対人関係とを組み合わせた「対人関係社会リズム療法」として、双極性障害の治療にも用いられています。

対人関係療法では、患者さんにとって重要な人物との関係を把握したり、見直して再構築を図るというものですし、うつ状態やそう状態を評価する方法の一助にもなります。社会リズム療法が対人関係を単純にストレスの有無や量と見ているとすると、対人関係療法では特に重要な対人関係の質と心理的な影響に注目していると言えるでしょう。

そして、重要な他者とのやりとりにおけるトラブルを解決するための方法を考え、ロールプレイで練習するなど問題への対応や解消への取り組みにも繋がり、対人関係療法も認知行動療法のアプローチに近いものと言えます

対人関係社会リズム療法は双極性障害の治療だけではなく、特にはエピソード後の心理社会機能の回復や再発予防などにも有効とされています。そのため対人関係社会リズム療法は双極性障害の治療方法として日本うつ病学会の双極性障害委員会にも認められています 。

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